長年日本の家庭で飼育されているペットは、猫ちゃんよりワンちゃんのほうが多かったものです。
しかし現代は住環境、ライフスタイルの変化などで、猫ちゃんの頭数のほうが多くなっています。
その結果、ワンちゃん全体では高齢化が進み、7歳以上のシニア犬の割合が相対的に増えています。
ワンちゃんも人間と同じように年齢を重ねると、体や心にさまざまな変化が訪れますよね。
「いつまでも元気でいてほしい」と飼い主さんは願うものですが、若い頃と同じような接し方を続けていると、思わぬトラブルを招くことがあります。
今回は、シニア犬と暮らすうえでNGなことを5つご紹介します。
大切な愛犬のシニアライフをより快適に、より健康的に過ごすためのヒントとして、ぜひ参考にしてくださいね!

1. 若い頃と同じように運動させる

シニアになってもお散歩大好きな子が、元気に走り回ったり飛び回ったりするのはほほえましく見ていてうれしいものです。
走っている姿には年齢を感じませんよね。
でも、無理だけは決してさせないでください。
シニア犬にとって、過度な運動は体に負担をかけるだけでなく、関節や心臓に大きなダメージを与える原因になります。
暑い日、寒い日などは体調が急変することもあります。
若い頃は元気に走り回っていた犬でも、年齢とともに体力が落ち、疲れやすくなっているのです。
それにも関わらず「運動不足になるのが怖い」「昔みたいに遊ばせてあげたい」という理由で
無理に走らせたり、長時間の散歩を強いることは避けてあげましょう。
シニア犬には短くてゆっくりしたお散歩が理想です。
段差の多い道や急な坂道などは避けて、関節にやさしいコースを選びましょう。
運動よりも「気分転換」や「日光浴」としての散歩を意識することが大切です。
一度に長い距離を歩かせるのではなく、短い散歩に何度か連れ出してあげるほうが良いです。
ゆっくりゆっくり、休憩もはさみながら、ワンちゃんのペースでお散歩させてあげてくださいね。
人間だって体調の良い日、悪い日があります。
ワンちゃんだって外出したくない日もあるでしょう。
ワンちゃんが気乗りしない日は、無理に連れ出さずに違う方法で気分転換してあげましょう。
【犬の運動量(目安)】
小型犬:1日2回、1回20~30分、距離は1~2km程度
中型犬:1日2回、1回30分~1時間、距離は2~4km程度
大型犬:1日2回、1回1時間前後、距離は4km前後
シニア犬:1回10分程度、1日1~3回ほど
2. 食事内容を見直さず若い頃と同じものを与える

ワンちゃんのごはん、年齢に合わせて内容の見直しはしていますか?
切り替えるタイミングが分からず、ずっと変えていないという方も時々いらっしゃいます。
シニア犬になると、基礎代謝が落ち、消化能力も衰えてきます。
にもかかわらず、若い頃と同じ食事を与え続けていると、
肥満や消化不良といった問題が起こりやすくなります。
とくに注意したいのがタンパク質や脂質の量、そして塩分。
年齢に合わせた栄養バランスを考えることがとても重要です。
気に入っているブランドがあるなら、ラインの中で、シニア犬向けのフードを探してみましょう。
消化しやすく、カロリー控えめで、関節や内臓の健康に配慮されたものが多いです。
かといって急にすべてを変更するとワンちゃんも戸惑うことがあるので、
少しずつお試しで変更してみて、反応を見て切り替えていくと良いでしょう。
また、シニア犬になると水分摂取量が減る傾向にあるので、
ドライフードだけでなくウェットタイプやスープを加えるのもおすすめです。
ヘルシーアニマルズではそのままでも美味しく、
手作りごはんも簡単に作れてコラーゲンも補給できる
「鹿コラーゲンスープ」が人気です。
北海道のエゾシカを丁寧に下処理して作ったコラーゲン豊富なスープです。
関節の動きをサポートするグルコサミンやコンドロイチン、ヒアルロン酸、
またアミノ酸の一種「グリシン」がドッグフードに含まれている化学物質(必要のない毒素)を体の外に排出する肝臓の解毒機能をサポートをすると言われています。
そのままでもフードにかけても美味しいので、
喜んで口にしてくれるワンちゃんが多いですよ。

3. 健康チェックを怠る

「まだまだ元気だから」と思って、動物病院での定期検診を後回しにするのはNGです。
シニア期には、心臓病、腎臓病、関節炎、がんなど、さまざまな病気のリスクが高まります。
早期発見が命を救うこともありますから、年に1~2回の健康診断は必ず受けるようにしましょう。
また、日常生活の中でも飼い主さんができる健康チェックがあります。
たとえば、食欲や排泄の様子、歩き方、呼吸、皮膚や毛の状態などを日々観察することが大切です。「いつもと違うな」と感じたら、すぐに病院で診てもらうようにしてください。
【参考ブログ】ペットの健康診断はとっても大切!受けさせていますか?
4. 生活環境を見直さず放置する

シニア犬は、視力や聴力が低下したり、関節の痛みで動きが鈍くなったりします。
小さな負傷が致命的なダメージにつながることもあります。
それなのに、若い頃と同じような環境で過ごさせるのは危険です。
滑りやすいフローリング、段差の多い室内、暗い場所などは転倒やケガの原因になりますので、
見直して安全な環境を作りましょう。
生活環境を見直すポイントは以下の通りです:
- 滑り止めマットやカーペットを敷く
- ベッドやソファに昇り降りしやすいステップを設置する
- 寝床を静かで暖かく、安心できる場所に変える
- 暗くなりがちな場所には間接照明を設ける
また、暑さや寒さにも弱くなるので、温度管理も重要です。
夏は熱中症対策を、冬は冷えすぎないように心がけましょう。
5. 「もう年だから」とあきらめる
最後に、これが最も大切なことかもしれません。
シニア犬になると「どうせもう年だから」「無理はさせない方がいい」と、
何かをあきらめてしまう飼い主さんが多いのが現実ですが、
それはワンちゃんにとって本当に幸せなことなのでしょうか?
もちろん、体に負担をかけるような無理は禁物です。
しかし、年をとっても飼い主さんへの愛情や信頼は変わりません。
飼い主さんとのふれあいや、新しい経験は、シニア犬の心を元気にしてくれます。
おやつを使った簡単な知育遊びや、のんびりとしたドライブ、小さな旅行など、
「楽しみ」を提供することは、シニア期を明るく充実した時間にしてくれます。
「年だから何もできない」ではなく、
「年だからこそ一緒にできること」を探してみましょう。
愛犬の表情がいきいきと変わる瞬間が、きっと見られるはずです。
♡まとめ♡
シニア犬との暮らしは、飼い主さんにとっても学びの多い時間です。
若い頃のような無限の体力はなくても、穏やかで深い絆を感じられる日々が待っています。
これはシニア犬を飼ったことがある飼い主さんならお分かりになると思います。
だからこそ、今回ご紹介した「してはいけないこと」を避け、
愛犬の変化に寄り添ったケアをしてあげましょう。
大切な家族である愛犬と、少しでも長く、楽しく過ごせますように!
