2024.05.30

【ブログ】多くが若年性!人間とは違う、愛犬・愛猫の白内障。

地味に多いのがワンちゃん、ネコちゃんの目のトラブルについてのご相談です。
涙やけなど目周りの皮ふのトラブルに加え、
目自体のお悩みとしてよく伺うのが「白内障」です。
人間の白内障は高齢者に多いイメージですが、
ワンちゃんネコちゃんの場合は、むしろ若い子に発症することが多い病気です。
そこで今回は愛犬・愛猫の白内障について勉強していきましょう。

人間の白内障との違い

白内障は、目の中でレンズの役割を果たしている「水晶体」
何らかの原因で濁ってしまう(混濁する)ことで起きる病気です。
水晶体はたんぱく質でできているので、
一度濁るともとには戻りません。
そのまま放置しておくと視力が低下し、
視野が小さくなり、やがて見えなくなることがあります。
また水晶体のたんぱく質が液化して漏れ出すことで、
免疫系に異物と認識されて炎症を起こし、
ブドウ膜炎や虹彩癒着、続発性緑内障、硝子体変性、網膜剥離などを引き起こすことがあります。

水晶体に濁りが起きる原因は、
外部刺激やストレス、内部疾患などですが、
人間の白内障と1つ明らかに違うことがあります。
それは発症年齢です。
白内障には「先天性」「若年性」「加齢性」がありますが、
人間の場合「加齢性」がほとんどです。
しかし犬の場合人間とちがって「若年性」が多くを占めています。
また、明らかに発症確率が高い犬種(好発犬種)があります。
「うちの子はまだ若いから大丈夫!」と油断してはいけません。
むしろ、若いからこそ気を付ける必要がある病気なのです。

なりやすい犬種は?

白内障は、犬にも猫にも起きる病気ですが、
圧倒的に犬が多いです。
白内障の好発犬種としては、
トイ・プードル、ヨークシャー・テリア、柴犬、アメリカンコッカースパニエル、シーズー、ゴールデン・レトリーバー、シュナウザー、ジャックラッセルテリアなどが挙げられます。

これらの犬種を飼っておられる方は、
若いうちから検査や対策を行ったほうが良いでしょう。
犬の場合、6歳未満で発症するものが「若年性白内障」といわれますが、
その多くは遺伝性であるといわれており、
中には1歳未満で発症する子もいるそうです。
そのような場合症状の進行が特に速く、
たった数週間~数か月で成熟期まで達してしまうこともあります。
とにかく早期発見・対策してあげることが大切な病気の1つです。

早期発見するには?

白内障の進行度合いは、水晶体の濁り具合によって
初発期から過熟期の4つのステージに分類されています。
①⇒②⇒③⇒④と段階的に進行してゆきます。

人間の老年性白内障の場合、進行は緩慢でかなり時間がかかりますが、
犬の若年性白内障の場合は進行が早く、
数週間~数か月で①⇒④まで達してしまうことがあるので、
できるだけ早期に発見し、治療を始めるかが
予後の成否を分けるといっても過言ではないでしょう。

①初発期②未熟期③成熟期④過熟期
白濁が水晶体のふちにあり、視覚への障害はほとんどない。濁りは15%以下。飼い主が見てもわかりにくい。白濁が水晶体の中に見え始める。濁りが15%以上になり、視界がぼやける、かすむなどの視覚障害が現れ始める。白濁が水晶体全体に及ぶ。光に対する反応はあるが、視力はほぼ消失する。水晶体たんぱく質が液化し、融解する。その影響で網膜隔離、緑内障を続発することがある。

①初発期では、ワンちゃんの見た目や動きからは
まず飼い主さんは異変に気づくことができません。
①初発期、②未熟期ではまだ目の白濁もわかりづらいので、
見た目ではっきりわかる時には
③成熟期まで進行していることも多いようです。

しかし病院に行けば見つけることができますので、
定期的に健康診断を受けていれば早期に発見・治療することができます。
(眼科も見てくれる健診コースを選んでくださいね)
人間にとってと同様、ワンちゃんにとって視覚はとても重要です。
ワンちゃんの目を守るため、
好発犬種の子は特に、
若い頃から毎年必ず健康診断を受けさせてあげましょう。

治療はどのように行う?

白内障は一度発症してしまったら最後、
自然に治癒することはありません。
治療薬も予防薬もないのが現状です。

そこで①初発期、②未熟期は
進行を遅らせたり、止めるために、
たんぱく質の変性を防止する目薬や、
抗酸化作用のあるサプリ
を与えるなど、
内科的な治療が中心になります。

③成熟期、④過熟期になってしまうと
手術など外科的な療法が必要になります。
手術では変性してしまった水晶体のたんぱく質を除去し、
人工レンズを挿入します。

ただしワンちゃんの場合、
人間と違って白内障の手術は
合併症のリスクが高いそうです。
また③成熟期まで達すると、
手術をしなくてもぶどう膜炎、緑内障などの
合併症を起こす可能性があります。
飼い主さんもそのリスクを知ったうえで
手術を受けるか、受けないかという点について、
判断する必要がありますよね。

白内障に備えよう!

先ほど、白内障には予防薬も治療薬もないと書いたのですが、
飼い主さんが気をつけていれば、
発症を抑えたり、進行を遅らせることはできます。

飼い主さんが自分でできる対策としては、以下のことが考えられます。
①定期的に健康診断を受けさせる
②外部刺激を減らす
③抗酸化物質を与える
④室内の環境を改善する

①定期的に健康診断を受けさせる

白内障の早期発見のために健康診断の受診は欠かせません。
もちろんその他の病気も早期発見すれば治るものも多いです。
健康な子でも7歳未満の子は1年に1回、
7歳以上の子は半年に1回
受診させてあげましょう。

しつこいですがペットの健康管理は
「後悔先に立たず」です。
人間と違って言葉で自分の症状を表現できないのがペットです。
飼い主さんが発見できないような早期の病気も
獣医さんに見つけてもらいましょう!

【参考ブログ】ペットの健康診断はとっても大切!受けさせていますか?
【参考ブログ】ペットの健康管理・後悔する前に今できること!←白内障のワンちゃんの実例もあります

②外部刺激を減らす

物理的な外部刺激でも白内障は進行します。
強い紫外線を長時間浴びる環境はできるだけ避けましょう。
また目の周りがかゆくてしょっちゅう搔いていると
その物理的刺激が白内障に良くないので、
アレルギー性皮膚炎などかゆみの原因を治療しましょう。

③抗酸化物質を与える

抗酸化物質は白内障を予防し、進行を遅らせます。
例えばビタミンCやビタミンE、アントシアニン、ルテインなどが有名です。
食べ物から摂ろうとすると食生活が偏ってしまうので、
効率的に摂るにはサプリを利用することがオススメです。

ヘルシーアニマルズでは北海道産アロニアサプリが人気です。
アロニアは多量のポリフェノール、
中でも強力な抗酸化物質であるアントシアニンを含んでいます。
特に目のトラブルに効果的な成分として研究されています。
白内障、涙やけ、結膜炎など
ペットの目のお悩みをもつ飼い主さんはぜひお試しください。

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【参考ブログ】ワンちゃんの目をすこやかに。ミラクルフルーツ「アロニア」。

④室内の環境を改善する

もし白内障と診断されて視力が落ちてきた場合、
愛犬が今まで通りの生活を送れるように
室内の環境を点検してあげましょう。

例えば以下のような点検ポイントが考えられます。

障害物や段差をなくしてつまづかないようにする
・家具の角などぶつかりやすいところは養生する
・トイレやエサ場所など、ワンちゃんの生活に大切な場所の配置はあまり変えないようにする

視覚から入る情報は、
ペットにとっても人間にとっても、大変重要です。
生涯を通じて、生活に必要な視力が確保できるように、
早めに目のケアを行っていきましょう!