2025.05.18

【ブログ】犬にも猫にもフィラリア予防が必要!蚊の季節が来る前にできること

先日、天気が良い日に公園に出かけたところ、
水のある場所にいくと蚊のような小さな虫がぶ~んとたくさん飛んでいました。
あまり嬉しくないですが、蚊の活動もすでに活発化してきているようです。
春から秋にかけて、蚊が活発になる季節になると、
ペットの飼い主さんにとって気になる病気の一つが「フィラリア(症)」です。
犬に多いイメージのある病気ですが、実は猫にも感染することがあり、重篤な症状を引き起こすことがあります。
今回は犬と猫それぞれのフィラリア症の特徴や、感染経路、症状、そして何より大切な予防について詳しく解説していきますね!

フィラリア症とは?

フィラリア症は「犬糸状虫(いぬしじょうちゅう)」(フィラリア)という寄生虫が原因で起こる病気です。
この虫は犬や猫が蚊に刺されることによって体内に侵入し、最終的には心臓や肺の血管に寄生します。
フィラリアは成虫になると20〜30cmほど(かなり長い!)の細長い虫になり、心臓や肺動脈に寄生することで重大な健康被害を引き起こします。
ワンちゃんやネコちゃんから摘出されたフィラリアの画像はグロテスクなので苦手な方にはおすすめしませんが、大丈夫よという方はぜひ一度検索してみてください。かなり怖いです。
こんなになっちゃうならとにかく予防しよう!という気持ちになります。

犬のフィラリア症

感染のメカニズム

ワンちゃんが蚊に刺されると、その蚊の体内にいたフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)が皮下に入り込みます。体内で数ヶ月かけて成長し、最終的に心臓や肺動脈に寄生します。
感染から発症までには6〜7ヶ月ほどかかることが多いです。

症状

フィラリア症は初期には症状が出ないことが多く、発見が遅れることがあります。
進行すると以下のような症状が現れます:

  • 咳が出る
  • 呼吸が苦しそうになる
  • 散歩を嫌がる、すぐに疲れる
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • お腹に水がたまる(腹水)
  • 最終的には心不全や多臓器不全により死亡することも

感染犬の血液をまた蚊が吸血することでミクロフィラリアが蚊の体内に取り込まれます。
その蚊が非感染犬を吸血することで感染が広がってゆきます。おそろしや…。

猫のフィラリア症

感染リスクは犬より低いが、油断は禁物


猫ちゃんはワンちゃんに比べてフィラリアの「不完全宿主」とされており、フィラリアが体内で成虫になる割合は低いということで、長年フィラリア予防については犬よりも取り組みが消極的でした。
しかし近年、猫の体内でフィラリアが成虫になれなくても、幼虫が肺に到達することで「猫のフィラリア症候群」(HARD)という病態を引き起こすということが注目され、猫ちゃんにも予防が必要だと言われるようになりました。

猫の症状

猫の場合、犬とは違う症状が見られることが多いです。

  • 咳や喘鳴(ぜんめい:ヒューヒューという呼吸音)
  • 呼吸困難
  • 嘔吐(食事と無関係に吐くことも)
  • 元気がない
  • 突然死

特に怖いのは、症状がほとんど出ないまま、突然死してしまうケースがあることです。
外に出る猫だけでなく、室内飼いの猫でも蚊に刺される可能性があるため、注意が必要です。

人も感染することがある?

フィラリアは「犬糸状虫」と呼ばれる寄生虫で、主に犬を宿主としますが、ごくまれに人間にも感染することがあります。
人に感染した場合、虫は心臓ではなく肺に迷入し、小さな結節(結節性陰影)を作ることがあります。「人獣共通感染症」との一種で、健康診断の胸部レントゲンなどで偶然発見されるケースもあります。

ほとんどの場合、症状が出ないか、ごく軽い咳などにとどまります。
ただし、腫瘍との鑑別が必要になることもあり、医療機関で精密検査を受ける必要がある場合も。
人への感染は非常にまれで、重篤になることはほぼありませんが、蚊を媒介とする点は動物と同様のため、蚊に刺されないように注意しておくことは大切です。

フィラリア症の予防法【詳しく解説】

フィラリア症は、何よりも「予防」が最も重要です。
一度感染してしまうと治療が難しく、犬も猫も大きなダメージを受ける可能性があるため、毎年の予防が欠かせません。

予防薬の種類と特徴

現在、動物病院で処方されるフィラリア予防薬にはいくつかの種類があります。
それぞれに特徴がありますので、ペットの性格やライフスタイルに合わせて選びましょう。

1. 経口タイプ(錠剤・チュアブル)

  • 錠剤タイプ:シンプルな錠剤で、確実に投与できます。味がついていないものもあるため、与え方に工夫が必要な場合もあります。
  • チュアブルタイプ:おやつのような味付きで、嗜好性が高いのが特徴。食べることが好きな犬にはとても人気です。

対象:犬、猫(一部製品)

メリット:家庭で簡単に与えられ、種類も豊富
デメリット:毎月の投与を忘れずに行う必要あり

2. スポットオンタイプ(滴下式)

首の後ろに液体を垂らすだけのタイプで、経口投与が難しいペット向け。
特に猫ちゃんではこのタイプが主流です。お口に薬を入れるのが難しい猫でも安全に使用できます。
フィラリア以外の寄生虫(ノミ・ダニ・回虫など)を同時に予防できる製品もあります。

メリット:簡単でストレスが少ない、体表での効果も期待できる
デメリット:塗布後すぐにシャンプーや濡れる行動を避ける必要がある

3. 注射タイプ(犬のみ)

年に1回、もしくは半年に1回の注射で効果が持続する長期予防薬。
病院で接種するため、投薬を忘れる心配がなく、特に忙しい飼い主さんに人気です。
ただワンちゃんへの負担を考えて行っていない病院も多いようです。

メリット:投与忘れがない、一度の接種で長期間効果が持続
デメリット:副作用のリスクもゼロではないため、事前の健康チェックが重要

複合型予防薬のメリット

最近では、フィラリア予防+ノミ・ダニ予防+消化管寄生虫の駆除を同時にカバーできる「複合型予防薬」(オールインワンタイプ)も登場しています。
とくに外に出る犬や猫、あるいは他の動物と接触のある家庭では、こうした総合的な予防が効果的です。

例:

  • 犬用複合薬:フィラリア、ノミ・ダニ、消化管寄生虫を一括予防
  • 猫用スポットオン:フィラリア、ノミ・耳ダニ、回虫、条虫を同時にケア

予防薬を使う際の注意点

予防薬は「感染を完全に防ぐ」のではなく、「体内に侵入したフィラリアの幼虫を定期的に駆除する」ことで発症を防ぐものです。そのため、蚊に刺される前ではなく、刺された後の処理をするという性質があります。

つまり、毎月決められた期間中に確実に投与することが非常に重要です。
以下の点に注意しましょう:

  • 前年の投薬が不十分な場合は、投薬前に血液検査を行うこと
  • 体重に合った製品を使用する(特に子犬や子猫は成長に伴い体重が変化)
  • 吐いてしまった場合や塗布が不完全だった場合は、再投与の必要があるか動物病院に確認する
  • 薬の保管は指示通りに行い、特に高温多湿や直射日光を避ける

いつから始めればいいの?

地域によって蚊の発生時期は異なりますが、一般的には「蚊が出始めてから1ヶ月後」から「蚊がいなくなった1ヶ月後」までが投薬期間の目安です。

例(関東地方):

  • 投薬開始:5月
  • 最終投薬:12月
  • 回数:年7回(毎月1回ずつ)

動物病院では、その年の気温や蚊の活動状況を踏まえて最適なスケジュールを教えてくれます。
北海道では6~11月の6か月を推奨している動物病院が多いようです。
途中であげ忘れは禁物です。
体内にフィラリアがいればその間に成長してしまうからです!
フィラリアが成虫になって心臓や肺に達する前に駆虫するためにこの投与サイクルになっているということを知っておきましょう。

感染してしまった場合の治療は?

犬の場合、フィラリア症と診断されたら、状態に応じた治療が必要になります。
内科的治療(駆虫薬の投与)や、重度の場合には外科手術で成虫を取り出すこともあります。

猫の場合は治療が非常に困難で、成虫を駆除する薬もなく、対症療法(呼吸を楽にするなど)しかできないのが現状です。
だからこそ、猫も犬と同じように予防を徹底することが重要です。

余談ですが昔友人の家で外飼いしていたワンちゃん、段々元気がなくなって痩せてきて、
病院に連れて行ったところ重度のフィラリア症と診断されて手術になりました。
手術はなんとか成功したのですが、取り出された大量のフィラリアを見たご家族は衝撃を受けたそうです…。
フィラリア予防に対して飼い主さんの意識が今ほど高くなかった時代のお話ですが、
予防の大切さを身に染みて感じますね。

フィラリア症の検査について

フィラリア予防薬を始める前には、必ず「感染していないかどうかの検査」が必要です。
特に前年に予防薬をあげ忘れた場合は、体内に幼虫や成虫が残っている可能性があります。
感染した状態で予防薬を投与すると、ショック症状を起こすリスクがあるため、必ず動物病院で検査を受けてから予防を始めましょう。

虫よけ×フィラリア予防で万全を

フィラリア症は蚊が媒介する恐ろしい病気ですが、正しく予防すれば防ぐことができます。
犬だけでなく、猫にも感染リスクがあることを知り、どちらのペットにも毎年の予防を忘れずに行いましょう。

本格的なフィラリア予防とともに、日常では虫よけ対策も行ってあげましょう。
虫よけに絶対はありませんが、何の対策もしないでお外に出すのは危険です。
また室内飼いの猫ちゃんはお家の外に出ることは少ないと思いますが、家の中に蚊が入ってきたら刺されてしまいます。
この季節手軽に使える虫よけを常備しておくのがおすすめです。
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虫よけの成分について、どれが安心なの?というお問い合わせもこの季節多くいただきますので、
近々ブログに書こうと思っています。
大切な家族であるペットの健康を守るためにも、春からのフィラリア予防&虫よけ、始めましょう!