2023.09.18

【ブログ】ノルウェージャンフォレストキャット・アクアのFIP闘病記①(現在進行形)

点滴を行っているアクアくん。毎日お薬を飲み、懸命に治療を頑張っています。

少し涼しくなり、当店を訪れるワンちゃん、ネコちゃん達もほっとしているように見える今日この頃です。

今回から少し、個人的なお話を書かせていただこうと思います。
実はこの春~夏にかけて、うちの子たちには大きな試練がありました。
今まで心の整理がつかなかったので、1つずつブログに書いていこうと思います。 

6月末から現在まで、ノルウェージャンフォレストキャットのアクア(7歳)がFIP(猫伝染性腹膜炎)で闘病中です。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、FIPはネコにとって命に関わる大病、難病です。

辛い話ですが、同じ病気と闘病されているネコちゃんの飼い主さんに、何らかの参考になればと思い、やっとブログに書く気持ちになりました。
どなたかの参考になれば幸いです。

FIP(猫伝染性腹膜炎)とは?

FIPとは、猫コロナウイルス(FECV)の突然変異により引き起こされる後天的な病気です。
突然変異を起こしたウイルスは猫ちゃんの体内で強毒化し、様々な症状を引き起こします。
最初は軽度の下痢、嘔吐。
その後腹膜炎や胸膜炎を起こし、お腹や胸に水が溜まって呼吸が苦しくなります(ウェットタイプ)

また肝臓や腎臓といった内臓、脳、目などに発症する「肉芽腫(にくげしゅ)」と呼ばれるしこりが発生するタイプ(ドライタイプ)もあります。

FIPは1歳未満の純血種や、去勢手術をしていない雄猫が発症しやすいと言われています。
発症して治療をしないとほとんどの子が亡くなり、1歳未満の子が発症した場合、進行が速くて1週間~10日以内に亡くなってしまうこともあります。

現在、治療薬は日本では未認可であり、ペット保険の適用外です。
高価なので、クラウドファンディングで治療代を募っておられる方もいます。

アクアの場合~FIPと診断されるまで~

アクアは7歳。それまで大病をしたことはなく、元気な子です。

6月末、鼻の中にかさぶたができていることを発見しました。
そして少し元気がなかったのですが、思い当たる理由はありませんでした。
季節の変わり目ということもあり、この時点では重い病気とは思っていませんでした。


【7月1日】
7月になり、鼻のかさぶたは治りましたが、相変わらず食欲も元気もないので病院に連れていきました。
今まで色々な子と過ごしてきた経験から、いつもと様子が違うときはなるべく早く病院に連れていくことにしています。
言葉を話すことができない子たちです。診ていただいて何もなければそれでよいのです。
エコー検査を受けたところ、腹水がたまっているという疑いが出てきました。リンパも少し腫れていました。
その時は少し様子を見ましょうということでおうちに帰りました。

【7月3日】

朝は食欲あるも。夜は食欲なし
体が熱いので、夜病院に連れてゆきました。熱は40.3度、リンパは少し腫れていました。
腹水も抜くまでではないが気になる感じでした。
その際、かなり高い確率でFIPと思われると診断されました。

確定するにはFIPの検査に出すが、結果が出るまで約1週間かかるとのこと。
結果を待っていると進行してしまう恐れがあるよとアドバイスを受けました。
しかしFIPの薬は日本で認可されていない薬で、直接輸入されている方も多いと聞きました。

ちなみに投薬終了から1年以内は寛解、1年経過して完治と言われました。
急なことで、私は大ショックでしたが、とにかくこの子を助けたいと思い、治療を開始すると心を決めました。
進行が速い場合があるので、迷っている時間はないと考えたからです。

FIPのお薬について

先ほども書いたとおり、FIPの治療薬(抗ウイルス薬)は日本では認可されていません。ペット保険も効かず、費用も高額です。
新薬としてはレムデシビル、モルヌピラビル(人間の新型コロナウイルス治療に使われるものです)というものがありますが、
流通量も少なく、取り扱っている病院も少なく症例も少ないです。


そのため現在の治療ではMUTIAN(ムティアン)か、CFNというお薬が使われることが多いです。流通量などの関係で、MUTIANを使うケースが最も多いそうです。
認可されていないので、サプリメントという扱いですが、
信頼性も高く、生存率82.2%、再発率2.5%というデータもあります。

84日間毎日、同じ時間に飲ませるのが決まりです。前後30分の誤差はOKですが、それ以上ずれると効果が低下します。
肝機能の低下、貧血などの副作用が現れる場合もあります。

費用は84日間で100万円~150万円と言われています。
そもそもペットの難病治療は高額の費用がかかることが多いですが、覚悟が必要です。
私も知ってはいましたが、まさかうちの子がFIPの治療を行うことになるとは思っておらず、色々と調べて取り組みはじめました。
ちなみに、札幌でMUTIANを使った治療を受けられる病院は1つしかありません。
「MUTIAN協力病院」で検索してみてください。
https://mutianasia.com/new-page-5

大都市札幌とはいえ、ペットの難病治療はどこでも受けられるものではないと実感しました。

確定診断と投薬スタート

【7月4日】
MUTIANの投薬をスタートしました。そのときの体重は3.4K。

アクア、日に日に元気がなくなるのが目に見えてわかりました。
そこでもう1つの病院でもFIP検査を受けることにしました。
大切なことですので、セカンドオピニオンも必要かと考えたのです。
その結果、1つの病院では陽性、もう1つでは陰性という結果が出ました。

その結果を踏まえてかかりつけの先生とも相談し、FIPと確定はされませんでしたが、可能性があるとのことで薬のスタートを決めました。

1つの病院で陰性と判断されたら、大丈夫だと判断して薬をスタートされない飼い主さんもいると思います。
しかし片方の検査結果が陰性でも、実は陽性である可能性も非常に高いのではないかと個人的には感じました。
後悔のないように、念のためセカンドオピニオンを取って判断されるほうが良いかと思います。
弱っていく我が子を見ていると、治療を開始しないことは私にはできませんでした。

先述のとおり、FIPにはウエットタイプとドライタイプがあります。
アクアは両方の可能性があるタイプと診断されました。
少し長くなってしまいましたので、次回に続きます。