先日、名司会者のみのもんたさんが亡くなりましたね。
お好きだった焼肉をお召し上がりの際に喉に詰まらせてしまい、
しばらく闘病されてお亡くなりになったそうです。
みのさんに限らず、毎年お正月にはご高齢の方が
のどに餅を詰まらせて救急搬送されるケースを耳にしますよね…。
人間も中年以降飲み込む力が衰え、このような「誤嚥」を起こしやすくなります。
ワンちゃんでも誤嚥を起こし、その結果「誤嚥性肺炎」を起こすケースをよく聞きます。
これは幼犬や老犬に多く、手当てが遅れた場合は命に関わることもあるそうです。
そこで今回は愛犬の「誤嚥」「誤嚥性肺炎」について
しっかりと勉強してゆきましょう!

誤嚥はなぜ起きる?

「誤嚥」(ごえん)とは、本来食道に入るはずの食べ物や唾液、吐いてしまったもの(吐しゃ物)が
何らかの原因で誤って隣り合った咽頭や気道に入ってしまうことです。
誰もに起きる可能性があることですが、
特に飲み込む力(嚥下力)が弱ったシニアに起きやすい事象です。
加齢によって筋力が低下すると嚥下力も弱ります。
また幼犬は嚥下力が未発達なので誤嚥を起こしやすいです。
病気や加齢で飲み込む力が弱っている状態を「嚥下障害」といいます。
健康な子が誤嚥してしまったときはゲホゲホと咳が出たり(咳反射)、むせたりして
誤嚥してしまったものが吐き出されますが、
嚥下障害を持っている場合、うまく吐き出すことができず窒息したり、
誤嚥した状態がそのまま続いている場合があります。
誤嚥に早く気づくには?

ワンちゃんが食べ物や嘔吐物を誤嚥した場合、
分かりやすいせきこみや嘔吐のほか、
以下のような症状が現れることが多いです。
- 食欲不振
- よだれが多く出る
- 落ち着かない
- 呼吸の異常(呼吸が荒い、呼吸困難)
- 異常な咳(気管や肺に異物が刺さる)
- 震える
咽喉や気道に異物が入ったので、
なんとか外に出そうと体が反応している状態です。
日ごろからワンちゃんの様子を見ている飼い主さんなら、
異変に気付きやすいと思います。
異変を感じたらすぐに病院に連れてゆきましょう。
しかし気づくことが難しい誤嚥もあります。
シニア犬など、咳反射が弱っている場合は「不顕性誤嚥」という
咳やむせることのない誤嚥を起こしている場合があるのです。
不顕性誤嚥をくり返すと、肺の中に食べ物、胃の内容物、唾液と共に入りこんだ細菌が増殖し、
「誤嚥性肺炎」のリスクが高まります。
ワンちゃんに多い「誤嚥性肺炎」

誤嚥性肺炎とは、食べ物や唾液、吐いてしまったもの(吐しゃ物)が
誤って肺に入ってしまうことで起きる肺炎の総称です。
肺炎とは肺にウイルスや菌、寄生虫などが感染して炎症を起こした状態です。
誤嚥しただけで肺炎を起こすわけではありません。
通常は咳反射やむせることで誤嚥物を吐きだそうとしますし、
感染に対する防御機能(気道の繊毛やリンパなど)が備わっていますが、
何らかの原因でその機能が弱っている場合、
誤嚥物や細菌が原因で肺炎を引き起こしやすくなります。
また嘔吐したもの(吐しゃ物)を誤って気道に飲み込むことでも誤嚥性肺炎が起きます。
胃酸は強酸性でpH1~2程度と言われています。
吐しゃ物には胃酸が含まれており、それを誤嚥すると気管に胃酸が接触し、
「化学性肺炎」を起こすことがあります。
誤嚥性肺炎を起こすと、以下のような症状が現れやすいです。
- せき込む
- 呼吸がしんどそう
- 呼吸時に音がする(喘鳴)
- 呼吸困難
- 発熱
- 食欲不振
- 元気がない
- ぐったりしている
誤嚥性肺炎を起こしやすいのは、以下のような子です。
- 嚥下機能が低下(飲み込む力が低下)している老犬
- 嚥下機能が未発達な幼犬
- 病気治療中の子
- 介護中のシニア犬
- 強制給餌しないといけない状態の子
- 脳神経疾患の後遺症やパーキンソン病などの神経疾患を持っている子
- 巨大食道症(食道が拡張し、食道の運動が低下する病気)
- 食道憩室(食道の壁の一部が嚢状に外側に突出している状態)の子
- 虫歯があったり、お口の中の健康がケアされていない子
好発犬種は「短頭種」の子です。
上気道閉塞を起こしやすい結果、誤嚥性肺炎になりやすいです。
- パグ
- ブルドッグ
- フレンチブルドッグなど
誤嚥性肺炎を予防するには?

誤嚥性肺炎を予防するには、
当たり前ですが原因となる「誤嚥」を防ぐことが一番の対策です!
そのためには以下のような対策が考えられます。
フードの水分や大きさに注意!
フードのサイズが大きすぎると嚥下(飲み込むこと)に失敗して誤嚥を起こしやすくなります。
ペットの体のサイズや嚥下力、体調に合わせたフードを選びましょう。
また人間でも水分の少ないお菓子(せんべいなど)を飲み込むときに喉が詰まりそうになることがありますよね。
水分が少ないフードやお菓子はよく噛まないと飲み込めないことがあります。
早食いの癖がある子は特に気をつけてあげましょう。
食事の回数を多くする
誤嚥の原因の1つ「早食い」させないためには、おなかがすきすぎている状態を防ぐことが大切です。
食事と食事の間隔を空けすぎるとお腹がすきすぎているあまり早食いしてしまうことがあります。
1日に食べる食事を小分けにして与える回数を増やすことで空腹感を防ぐことができます。
食事をするとき頭を下げすぎない体勢にする
食事をするときに頭を下げすぎると喉が圧迫されて詰まりやすくなります。
ワンちゃんネコちゃんの食器を床に直置きするのではなく、その子の食べやすい高さに合わせた台の上に設置してあげましょう。
お水を飲むときの体勢に注意する
お水を飲むときもフードと同様、自然な体勢で飲めるように工夫してあげましょう。
食器で直置きでそのまま飲ませている方は台の上に置いてあげましょう。
ペット用の給水ボトルをケージに付けている方はあまり高い位置や低い位置につけるのではなく、
自然な姿勢で飲めるように調整してあげてください。
口腔ケアを行う
誤嚥するとお口の中の細菌(歯周病菌など)が気道を経由して肺に入ることで肺炎を引き起こすことがあります。
日頃から口腔ケアを行いお口の中の歯周病菌を減らしておきましょう。
食事介助の姿勢に気をつける
シニア犬や病気の子で寝たきりになって食事に介助が必要な場合、変な姿勢で行うと与えた食べ物が気道に入りやすくなります。
寝たまま与えるのはNGです。上半身をしっかり支え、頭を上げた状態で与えましょう。
またそのような状態の子の場合、フードはやわらかく、小さくしてあげましょう。
誤嚥対策で愛犬を守ろう!

色々な対策をご紹介しましたが、それでも誤嚥をしてしまうことはあります。
そのような場合でも誤嚥性肺炎を起こすことが減るように、あらかじめ対策を行ってあげましょう。
外敵に負けない免疫力を作ろう
細菌やウイルスなどの外敵が体に入ってきたら戦ってくれるのは免疫です。
免疫力をアップするには腸内環境を整えることが有効です。
なぜなら免疫細胞の約7割は腸内に存在しているからです。
腸内環境を整えるには、腸内の善玉菌を増やすことです。
腸内細菌のバランスは、善玉菌が2割、悪玉菌が1割、
日和見菌が7割という割合が
理想的といわれていますが、
日和見菌は全体の情勢を見て優勢なほうに加勢してくるので、
善玉菌をしっかり増やすことが大切なのです!
善玉菌を増やすためには、食物繊維やオリゴ糖など
善玉菌のエサになる「良いたべもの」をしっかりと与えてあげることです。
免疫細胞の働きが活性化すると、
ウイルスや細菌が体内に侵入しても、
抗体が防衛活動を行ってくれるため
被害が軽減されます。
腸内環境を改善し、
免疫力をアップするために、
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「植物発酵酵素サプリ」です。
またスーパーフード「たもぎ茸」で作った
「たもぎ茸サプリ」も免疫力アップにおすすめしています。
抗酸化物質を多く摂取すると、免疫力アップにつながります。
「たもぎ茸サプリ」はエルゴチオネインとβグルカンという
強力な抗酸化物質を含んでいます。
口腔ケアでお口の雑菌を減らそう
口腔ケアを行い、歯周病菌を減らすことで、
口内の雑菌が原因で誤嚥性肺炎を起こすリスクが減ります。
歯周病と聞くと人間のもの?と思ってしまいますが、犬や猫にも歯周病は存在しており、
調査によると、3歳のワンちゃんネコちゃんの8割程度が歯周病に感染しているそうです。
「歯周病は全身病」と呼ばれるほど、
口腔内の歯周病菌が全身に回ることで起きる疾患は多いです。
口腔ケアの基本はやはり「歯みがき」!
小さい頃から行うのが理想ですが、
いつからでもスタートすることは可能です。
あきらめないで挑戦してみてください。
ペット用の毛がやわらかくヘッドが小さい歯ブラシがおすすめです。
歯みがきペーストを嫌がる子でもブラッシングしてあげるだけで効果はあります!
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水分不足に気をつけよう
水分が不足して喉にうるおいが足りない状態ですと、
誤嚥を引き起こしやすくなります。
お水を十分に飲んでいることが理想ですが、
シニア犬や介護が必要な状態の子は、のどの渇きを感じにくくなっている場合があります。
そのような場合、お水を飲ませてあげるのはもちろん、
お食事の際にも十分な水分が取れるように配慮してあげましょう。
お水はあまり飲んでくれない…という子でも、
これは美味しい美味しい!と飲んでくれる!と好評です。
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独自の製法で鹿の骨を数日じっくり煮込み丁寧に作ったスープで、
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美味しいだけではなく、うれしい成分も摂れる水分補給です。
まとめるとワンちゃんの誤嚥性肺炎を防ぐには、
「誤嚥を防ぐ」
「誤嚥してしまった場合でも、飲み込む細菌やウイルスを減らす」
「免疫力を高め、細菌やウイルスに対する抵抗力を上げる」
の3点です。
免疫力アップや口腔ケアを行っておけば、
シニアや介護になっても誤嚥性肺炎を起こすリスクが減りますし、
その他の病気も防ぐことができます。
若くて元気なうちから少しずつ始めていきましょう!
