2022.10.10

ペットフードの消費期限・賞味期限。どう考えれば良い?

先日、友人からペットフードの保存について相談を受けました。
「海外製の良質なフードをかなりの大袋で買ったのだけど、
小分けして冷凍しておけば大丈夫かな?」という質問でした。

たくさん買ってしまったというので、
がっかりさせそうで答えづらかったのですが…💦
人間の食べもの同様、ペットフードにも安全に食べられる期限があります。
冷凍や真空パックにすれば、ずっと大丈夫というわけではありません。

そこで今日は、ペットフードを美味しく、安全に食べられる期間について
どのように考えれば良いかのお話です。

ペットフードの消費期限、賞味期限について

人間向けの食品は「食品安全基本法」に基づき、「消費期限」「賞味期限」が表示されていることが多いです。
(一部アイスクリームや食塩など、品質の劣化が少ないと考えられる商品には表示されていないこともあります)

一般的に、消費期限は、品質が急速に劣化する食品に表示するものであり、賞味期限は、比較的傷みにくい食品に表示するものです。

東京都保健福祉局サイトより

それぞれは、
消費期限…期限を超えると安全でなくなる可能性がある
賞味期限…期限を超えてもすぐに安全性に問題が発生するとは限らない(※美味しく食べられる期限の目安)
という定義になっています。

同様にペットフードの場合、「ペットフード安全法」という法律にしたがって、
ペットフードの名称、賞味期限、原材料名、原産国名、事業者名及び住所の5項目の表示を義務付けられています。

人間向け食品と違って、
消費期限や製造年月日の記載は任意となっています。

そんな事情でペットフードには、
消費期限=安全に食べられる期限が記載されていないものも多いのです。
これは間違いではありません。

消費期限については、正しい知識に基づいて、
個々の飼い主さんが判断してあげる必要があるというわけです。

油が含まれていると酸化しやすい

ドライフードの場合、含まれている水分量が少ないため、
賞味期限は1年~1年半ぐらいに設定されていることが多いですが、
これはあくまで未開封の場合です。
開封するとまた話が違ってきますので、ご注意くださいね。

ペットフードには様々な原料由来の油分が含まれています。
ひとたび開封してしまうと、油分が空気に触れて酸化が始まり、
どんどん品質が劣化していくのです。

これはドライタイプのフードに限らず、
ソフトタイプやモイストタイプでも同じです。

パウチや缶詰になっているものは、ドライフードよりも長持ちし、
賞味期限も長くなっていますが、
開封してしまうとドライフードよりも品質の劣化が早いです。

「フードを開封しても、冷凍や真空にすれば長持ちするのでは?」と思ってしまいますが、
おうちで開封した時点で、もう酸化が始まっているとお考えいただければと思います。

開封したらなるべく早く食べさせてあげよう!

以上のような理由で、実際の消費期限は、
「包装(袋、パウチ、缶など)を開封してからの時間」で考えると良いでしょう。

例えばドライフードを大袋で買ったとしたら、
大袋を開けた時点からカウントが始まります。

小袋に小分けされている商品の場合は、
小分けの小袋を開けた時点からカウント開始です。
パウチも、缶詰も考え方は同じです。

ドライフードは、袋が大きくても小さくても、
開封したら1か月以内に消費
するのが理想です。
(保存環境によってはさらに短くなることはあります。)

もし大袋を買ってしまった…という場合、
開封後ギリギリ3~6か月ぐらいが限界かと思います💦
一見大丈夫そうにみえても、
それを超えて与えることはオススメできません。

ソフトタイプやモイストタイプのパウチや缶詰は
含まれる水分が多いため、開封したらすぐに食べ切るのが理想です。

食べた残りを冷蔵庫保存にしても、
概ね2~3日以内に食べましょう。

私たちのごはんのおかずと同じ感覚で
ペットの食事の安全も管理してあげてくださいね。

また賞味期限は「おいしく食べられる期限」ですから、
未開封の状態でしたら、少しぐらいは過ぎてしまったとしても、
すぐに安全性に問題が起きるわけではありません。

しかし、保存料などの添加物を使用していないフードでしたら、
賞味期限が90日程度と短いものもありますので、
フードを購入されたら賞味期限を最初に確認すること
オススメしています。

経済性や便利を考えると、
フードをまとめて買いたくなる気持ちも、
とってもよくわかりますが、
ご自宅のワンちゃん、ネコちゃんが食べる量を考えて、
賞味期限内に食べ切れる量を買ってあげてください。
お買い物される際に、ちょっと思い出していただければ嬉しいです🐶