ハンバーグがつないだご縁
2012年ごろより、経営しているレストランで、酪農学園大学で飼育している「短角牛」のお肉を使ったハンバーグを提供することになりました。
短角牛をご存じでしょうか?
正式名を「日本短角種」といい、希少な和牛の一種です。
昔からの在来種で、肉質は赤身が中心です。
酪農学園大学は、札幌近郊の江別市にある獣医さんや動物学を学ぶ大学。
広大な敷地を持っていて、学生さんの実習用に肉牛や乳牛牧場までお持ちなのです。
飼育されている短角牛のお肉はヘルシーで大変美味しいと評判です。
その短角牛ハンバーグで酪農学園大学とコラボを始めたご縁で、宮庄 拓先生と出会うことができたのです。
宮庄先生は、獣医保健学類の気鋭の若手研究者。ご専門は動物生命科学です。
獣医学の先生ということで、私が「本当に良いペットフードを作りたい」という夢をお話したところ、意気を感じてくださいました。
「どうせ作るなら、北海道を代表するペットフードを作りましょう!」と盛り上がり、共同研究を始めてくださることになりました。
数年間温めていた夢が、思いがけないきっかけで実現に向けて急に動き始めたのです!
腸内環境の大切さを知る
そこから、本当に良いペットフード、サプリメントを開発するために、改めて勉強を開始。
人間もペットも、健康で長生きをするためには、免疫、腸内環境がとても大切だということを学びました。
身体の免疫の70%は、腸内環境で決まるそうです。
どんなに栄養のある、体に良いものを食べていても、腸内環境に問題があれば台無しなのです。
そのため、腸内環境を考えたサプリメントや、その成分を配合したおやつを開発することになりました。
人間用の食材で作りたい
さらに勉強するうちに、日常の食べ物の大切さを改めて実感しました。
人間の体もペットの体も、毎日口にするものからできているのです。
また、人間の食品もそうですが、良い食材から良い商品ができます。
家族の一員である大切なペットに、品質の分からない食材を与えるわけにはいきませんよね。
私は「自分が食べているそのものの食材でペットフードを作ろう!」と心に決めました。
そんな中、当時7歳だった愛猫の調子が悪くなりました。
7歳というと、人間では40代、中年です。
シニアというにはまだ早く、あと10年は十分一緒に過ごせる年齢です。
しかし動物病院で検査をしてみると、大きな腫瘍ができていることが分かり…とてもショックでした。
(次回に続く)