先日、川辺に行ったところワンちゃんを泳がせている飼い主さんがいました。
暑い日でしたのでとても気持ちよさそうに泳いでいました!
ワンちゃんもアウトドアが気持ち良い夏になりましたね。
でもお家の外には特有の危険がいっぱいです!
先日幼児が屋外活動中に集団でハチにさされる事故もありました。
ワンちゃんも十分な対策が必要だと改めて思います。
そこで今回は、夏の「虫さされ」の危険と、
それを防ぐ虫よけについて改めて学んでいきましょう。
夏の水辺は油断大敵!
最初に書きましたように、夏になると親水公園や川辺、水辺などで
ワンちゃんを水遊びさせる方も増えてきます。
また一緒にキャンプに連れて行く方もいます。
キレイな水辺で水遊びさせるのはワンちゃんにとっても
飼い主さんにとっても気持ちの良いレジャーです。
しかし、水辺には様々な虫がいます。
キレイな水辺であってもです。
先日、このようなニュースがありました。
記憶に新しい方もいらっしゃるかもしれません。
公園で保育園児9人ハチに刺される ハチはクロスズメバチの一種 巣が刺激され攻撃してきたか 苫小牧
暑い日に公園のちょっとした水辺で子供たちを遊ばせようとしたところ、
近くの石の間に巣を作っていた小型のクロスズメバチが刺激されて出てきて、
子供たちが刺されたというニュースでした。
スズメバチというと大型の毒々しい色合いのハチを想像する方も多いと思いますが、
このクロスズメバチやその仲間たちは小型で体はが黒いので一見ハエなどに似ています。
住宅街のちょっとした場所に巣をつくるミツバチなどと違って、
スズメバチは樹木の洞穴や土の中に巣をつくることも多いです。
ひんやりした場所を好むので、水辺に巣があることも多いようです。
まさか水辺に遊びに行ってハチに襲われるとは、
保育園の先生も子供たちも思わなかったかもしれません。
まだ毒性が比較的弱い種類のハチだったのが不幸中の幸いでした。
咬まれると大変!ブヨやアブに注意!
さわやかで気持ちの良い夏の水辺ですが、
虫にとっても過ごしやすい場所のようで、
ハチのほかにも様々な害虫が集まります。
その代表が「ブヨ」「アブ」です。
人間だけではなくワンちゃんも咬まれます。
後述しますが、
ブヨやアブは刺すのではなく、咬んでくるのです!
これらに咬まれるとかゆみや痛みだけではなく、
時には恐ろしいアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。
①ブヨ(ブユ・ブトとも言います)
ブヨはハエ目に属し、ハエに似た昆虫です。パッと見ハエに見えるので注意が必要です。
体調は約2~4mm。体の色は黒っぽく、腹部は黒と黄色の縞模様が特徴です。
日本には様々な品種のブヨが生息しています。その数約60種類以上。
キタオオブユ、アシマダラブユ、ニッポンヤマブユ、アオキツメトゲブユなどが主に人間に対して吸血被害を及ぼします。
吸血するのは産卵期のメスのみです。
ハチは毒針で人間を刺しますがブユはノコギリ状の口で皮膚をかみ切り流れ出る血をすすります。
咬まれたあとは赤いポチポチ(吸血点)が出るのが特徴です。
渓流などのきれいな水辺に生息していることが多いので、川沿いのキャンプ場、親水公園などは注意が必要です。
朝や夕方など比較的涼しい時間帯に活動することが多く、曇りや雨の日などは1日中活動していることがあります。
ブヨ(ブユ)は羽音を立てずに近づくうえ、刺されている間は痛みやかゆみを感じないので気づきにくいです。
吸血している間唾液腺から麻酔物質(毒素)を注入するためです(怖!)
そしてその麻酔物質によってアレルギー症状が起きたり、場合によっては翌日以降に腫れあがり、激しい痛みや疼痛、発熱などの症状が長く続くこともあります。
また、何ヵ所も吸血された場合、リンパ管炎やリンパ節炎を併発したりアナフィラキシーショックを起こして意識不明や呼吸困難などに陥ることもあります。
②アブ
アブもブヨ同様ハエ目に属する昆虫で、日本には約100種類以上が生息しています。
大きさも見た目もブヨより多様性があるので、
見た目にはブヨと似ているタイプとハチに似ているタイプがあります。
スズメバチに似ているタイプのアブ(アカウシアブ)もいます。
吸血方法はブヨと同様、ノコギリ状の口で皮膚をかみ切り流れ出る血をすすります。
吸血するのは産卵期のメスのみというのもブヨ同様です。
アブは種類によって吸血する対象に好みがあり、
ウシアブやアカウシアブのように牛や馬などの家畜を狙うアブもいれば、
イヨシロオビアブやキンイロアブなど人間を好んで吸血するアブもいます。
家畜を襲うアブが人間を襲うこともあるので注意が必要です。
アブはブヨと違って吸血時に麻酔物質を注入してこないので、
咬まれると大人であってもかなりの痛みが生じます。
咬まれた箇所を確認し、血がにじむようになっていたらアブ、
血がたれるようになっていたらブユ(ブヨ)ということです。
時にはブヨ同様アナフィラキシーショックを起こすこともあります。
愛犬がブヨやアブに咬まれたら?
もし水遊びに行って、愛犬がブヨやアブに咬まれたら、
かゆがったり痛がったりしている様子で気づくことが多いでしょう。
ブヨやアブは咬まれると跡がつくので咬まれた場所を特定しやすいです。
咬まれた場所を確認したら、
まずはキレイな流水で洗い流してあげましょう。
そのあと指でギュッと毒素を絞り出します。
毒素を口で吸いだす方がいますがこれはNGです。
毒素が吸った人にも悪影響を与える可能性があるからです。
また「ポイズンリムーバー」という毒素を吸い出す道具がありますので
キャンプなどアウトドアに行かれる方は1つ持っておくと便利です。
ブヨやアブ、ヘビなどに咬まれたりしたときにも使えます。
人間にもワンちゃんにも使えます。
毒素を洗い流し、吸い取った上で、
仕上げに抗ヒスタミン成分の入った塗り薬をつけてあげるとかゆみ止めになります。
咬まれたところをかじってしまうと治りが遅くなることもありますので、
保護してかじらせないように気をつけましょう。
アナフィラキシーショックを起こすことはなくても、
元気がなかったり、食欲がなくなったりという症状が出た場合は、
すぐに動物病院に連れてゆきましょう。
害虫に刺されないためには?
これまで勉強してきたように、
ブヨやアブに咬まれると意外と面倒ですね。
ブヨやアブ以外でも、
害虫にワンちゃんが刺されるのを防ぐには、以下の方法があります。
①ペット用虫除けを使用する
ペットの皮ふは人間よりとても薄くデリケートなので、
人間用の虫よけスプレーではなくペット用のものを使ってあげましょう。
ペット用虫よけの有効成分には、化学物質(ディート、イカリジン)を使用しているものと、
天然成分(ハーブ、アロマオイルなど)を使用しているものがあります。
どれを選ぶかは飼い主さんの判断ですが、
ワンちゃんは体をなめてしまうことがありますので、
できるだけ赤ちゃんでも使える刺激の少ないものがおすすめです。
ヘルシーアニマルズでは、
北海道産アカエゾマツ精油の抗菌防臭、防虫効果に注目し作りました
「スキンプロテクトスプレー」がロングセラー商品となっています。
お肌には優しく、安心安全な成分ながら、
害虫を忌避する効果に優れていると評判です。
北海道発 自然のめぐみ ペットのお肌を優しく守るスキンプロテクトスプレー
ペット用虫よけの成分については
詳しくはこちらのブログも参考にしてくださいね!
【ブログ】虫さされの季節!虫よけスプレーに含まれる成分を知ろう!
②虫よけ服を着せる
ワンちゃんにお洋服を着せるという方法もあります。
特にブヨやアブは白よりも黒っぽい色を好むという習性がありますので、
濃い毛色のワンちゃんは白っぽい洋服を着せてあげることで
ブヨやアブに襲われるリスクを減らすことができます。
また専用に虫よけ加工がされた虫よけ服も販売されています。
防蚊・防虫加工のお洋服を着せた上で、虫よけスプレーをしてあげると、
さらなる防虫効果を期待できます。
③蚊取り線香を使用する
アウトドアでペットの行動エリアが限定される場合でしたら、
そのエリアに蚊取り線香を焚くことで防虫効果が得られます。
ペット用の蚊取り線香はペットへの安全性を確認したうえで認可されている動物用医薬部外品ですので、できれば蚊取り線香もペット用を用いることがおすすめです。
元々蚊取り線香は除虫菊を用いて作られていたのですが、現代では化学物質を用いて作られていることが多いため、アレルギーを起こすワンちゃんもいます。
心配な方は天然成分由来の蚊取り線香を選ぶと良いでしょう。
虫よけスプレーを使うとき、気をつけて!
最近、
「スキンプロテクトスプレーをシュッと使っただけで、
ワンちゃんがすぐにショック症状を起こしたので、
アレルギーではないでしょうか?」というご相談を頂きました。
私たちも驚いて、
獣医学の先生に相談したところ、
「スキンプロテクトスプレーの成分によって
ショック症状を起こすことは考えられない上、
仮に何らかのアレルギーだったとすれば、
アレルゲンを感知するまで時間がかかるので、
シュッとしてすぐに反応を起こすのは早すぎです。
なのでそれは「スプレー音に対するショック症状」だと考えられます」
と回答を頂きました。
ワンちゃんの中には、スプレーが苦手な子がいますが、
中には敏感すぎてスプレーの「シュッ」とする音や
風圧に対してとても驚き、強いストレスを感じて、
ショック症状を起こす子がいるそうです。
レアケースかもしれませんが、
本能的にスプレーに対する身の危険を感じるのでしょうか…。
スプレーが苦手な子はいますが、
苦手すぎるとそのようなこともあるのですね。
そのような子には、虫よけに限らず
ブラッシング用などのスプレーをかけるときも、
直接スプレーするのではなく、
手や布にスプレーの液を付けた上で、
ワンちゃんの体にやさしく塗り込んであげましょう。
あまり恐れるとお外遊びができなくなりそうですが、
備えあれば憂いなしです。
上手に虫よけグッズを使いこなして、
ワンちゃんを水辺の害虫から守り、
夏をたくさんエンジョイしてくださいね!