2025.10.29

【ブログ】猫の難病・FIPを乗り越えて——愛猫・アクア君の今とこれから

これまでの記事でたびたび登場してきた、我が家の愛猫「アクア」。
9歳のノルウェージャンフォレストキャットです。
2023年6月、7歳のときにFIP(猫伝染性腹膜炎)という死亡率の高い難病と診断され、たくさんの方に応援していただきながら、奇跡のような回復を見せてくれました。
これまでのアクアの記録は、こちらの記事で綴っています。よろしければご覧ください。

闘病中からずっと温かく見守ってくださった皆さま、本当にありがとうございます。
そして今回は、発病から2年経過した今、その後のアクアの様子を「近況報告」としてお伝えしたいと思います。

病気を乗り越えたあとも、小さな変化やケアは続きます。
でも今のアクアはとても穏やかで、よく食べて、よく寝て、よく甘える。
そんな姿に、私は毎日たくさんの勇気と笑顔をもらっています。

治療を終えて1か月後——毛が抜けて不安になる

▲2023年、闘病当時の写真です。痩せてしまい、自慢の毛並みも衰えていました。

FIPの薬を飲み終えて1か月ほど経った頃、アクアの顎や喉の毛が抜け始めたことに気づきました。
せっかく元気になったばかりなのに……。最初は心配でたまりませんでした。

体調や食欲に変化はなかったものの、抜け毛を見るたび胸がぎゅっと締めつけられ、
「また何か始まってしまったのでは」と不安な日々が続きました。

先生に相談すると、FIP治療後はホルモンや免疫のバランスが一時的に乱れることがあり、毛が抜けることもあるとのこと。
それを聞いて少し安心しながら、ブラッシングを優しくし、食事の栄養バランスを整えることにしました。

すると数ヶ月後、少しずつ新しい毛が生え始め、気づけば以前よりふわふわの毛並みに✨
あの時の不安が嘘のように、アクアの姿は再び美しく輝きを取り戻しました。

免疫を守るために——毎日の習慣になったこと

FIPを乗り越えた愛猫アクアは、闘病後も免疫ケアを続けながら穏やかな日々を過ごしています。抜け毛や緑内障など新たな課題も前向きに乗り越え、今では眼圧も安定。アカエゾマツドライシャンプーで皮ふを守り、元気と笑顔を取り戻しました。

FIPの治療中も、乗り越えた今も、免疫を落とさないことを第一に考えています。

アクアは今も毎日、

  • 北海道産 発酵野菜酵素ドリンク(通称:植物発酵酵素サプリ)(液体タイプ)
  • 北海道産たもぎ茸濃縮エキス(通称:たもぎ茸サプリ)(液体タイプ)

の摂取を続けています。
この2つは、闘病中からアクアを支えてくれた“体の味方”のような存在。
普段のごはんはできるだけ自然素材のフードを選び、
水分をしっかり摂らせるようスープ仕立てにする日もあります。

病気を経験してから「健康は毎日の積み重ね」だと身を以て確信しています。
大げさなことではなく、日々のちょっとしたケアが、アクアの穏やかな笑顔につながっている気がします。

シャンプーができない——ドライシャンプーの開発

闘病後のアクアは、皮ふもデリケートな状態になっていました。
体力も低下しているのであまりお風呂に入れることもできませんでした。
病院の先生からは「シャンプーはしばらく控えたほうがいいですね」と言われたため、私は洗い流し不要のドライシャンプーを試すことにしました。

ところが、市販のものは香りが強かったり、皮ふが乾燥したりして、なかなか納得できるものが見つからず……。
「もっとやさしく、自然素材で、安心して使えるものが欲しい」と思うようになりました。

そこで以前から愛用していた弊社の「北海道アカエゾマツシャンプー」を、アクアのような病中病後の子でも使える形にしたいと考え「アカエゾマツドライ泡シャンプー」を開発しました。
これは拭き取るだけ、洗い流し不要で体の汚れをさっぱり落としてくれるドライシャンプーです。
北海道産アカエゾマツ精油は肌に優しく、自然の抗菌力を持ち、香りも清々しく、普通にお風呂でシャンプーができるようになった今でもよく使っています。
お水が必要ないので、ちょっと汚れたときや部分的にキレイにしたいときにも便利ですよね。
ドライシャンプーで体をキレイにケアする時間も、今は私たちにとって穏やかな幸せのひとときになっています。

2025年2月——右目の充血に気づく

▲回復してからの2025年1月の写真です。体重も増え、顔つきも穏やかです。

そんな穏やかな毎日が続いていた今年(2025年)の2月、アクアの右目の充血に気づきました。
最初は軽い赤み程度でしたが、数日経っても治らず、かかりつけの動物病院へ。

ステロイドの点眼をしても改善せず、3月には眼科専門医を受診。
検査の結果は——緑内障でした。
眼圧が40まで上がっており、再び胸が締めつけられました。

FIPのドライタイプの子はぶどう膜炎を起こすことが多く、その後遺症で緑内障を発症するケースもあるとのこと。
アクアはドライとウェットの中間タイプだったため、その影響が残っていたようです。

ただし、先生はこうも言ってくださいました。
「猫の緑内障は、眼圧をしっかりコントロールしていけば、すぐに視力を失うわけではありません。」
その言葉に救われる思いで、私は新たな治療を始める決意をしました。

コソプト点眼と通院——落ち着きを取り戻す

処方されたのはコソプトという点眼薬。
1日2回、朝と夜に欠かさず点眼しています。

「アクア、目薬しようね」と声をかけると、最初は少し嫌がりましたが、
今では落ち着いて目を閉じ、じっと我慢してくれます。
今では眼圧も21と安定しています。

視力も保たれていて、少し光に敏感な日もありますが、日常生活に支障はありません。
FIPと診断されたばかりの、あの不安な日々を思い返すと、今の穏やかな日常がどれほど尊く、ありがたいかを噛みしめています。

アクアが教えてくれた「生きる力」

▲緑内障対策の目薬を入れてからは黒目が小さくなってます。獣医師さんによると、視力、見え方には問題ないとのことでした。

FIP、抜け毛、緑内障——次々と訪れる試練に心が折れそうになることもありました。
けれどアクアは、いつも静かに、堂々と、前を向いていました。

ごはんを食べ、毛づくろいをして、私の膝に乗り、喉を鳴らす。
健康なときは当たり前だと思っていたその一つひとつが「生きる力」そのものでした。

これからも、ゆっくりと一緒に

生きている以上、病気になることを100%予防することはできません。
病気によっては快復しても完全に「終わり」にすることはできない場合もあります。
でも、病気と共に生きる中でも、少しでも幸せになる方向、明るい方向を選択し続けることはできます。

アクアが教えてくれたのは、日常の中にある小さな幸せを見つける力です。
もう、シニアと呼ばれる年齢ではありますが、ふわふわと豊かな毛並みは変わらず。
今日もごはんを食べ、日なたで丸くなり、静かに喉を鳴らす。
その姿を見るたびに「生きていてくれてありがとう」という感謝しか浮かびません。
これからも、アクアと一緒に穏やかで明るい毎日を積み重ねていきます。
そしてこの記事が、同じようにFIPと戦っている猫ちゃんと飼い主さんに、少しでも希望と安心を届けられたら嬉しいです。


🐾 アクアのFIP闘病を助けてくれた主要なケアアイテム一覧