「うちの子、最近なぜか片足を浮かせて歩いている…」
「急にケンケンするようになった…」
など、愛犬の歩き方がおかしいと思って動物病院に連れて行くと診断を受けることが多いのが
「パテラ(膝蓋骨脱臼)」という病名です。
発症する子は多いのですが、名前ばかりが有名でも詳細はあまり知られていないかもと感じることがあります。
パテラは小型犬ではとても多い関節のトラブルで、放っておくと痛みや歩行障害につながることもあります。
今回は、飼い主さんに知ってほしいパテラの基礎知識から、予防・ケア方法までやさしく解説します。
【お知らせ】2025年10月25日、ヘルシーアニマルズ直営店内にリハビリ専門の動物病院「ハウルの森いのちのケアラウンジ」が開院します。
「予防・整える・守る」を大切に愛犬愛猫の健やかな暮らしを支えます。
詳しくはブログでも改めてご紹介しますね👇


パテラ(膝蓋骨脱臼)ってどんな病気?
「パテラ」とは膝のお皿(=膝蓋骨)のことです。
※英語で膝蓋骨(膝のお皿)である「patella(パテラ)」
このお皿の骨が、本来は太ももの骨の溝(滑車)にはまって動くのですが、
何らかの理由でこの溝から外れてしまう状態を「膝蓋骨脱臼(パテラ)」と呼びます。
人間でもジャンプなど激しいスポーツ中に外力がかかることで起こることがあります。
脱臼の方向と重症度
多くの場合は「内側(内方脱臼)」に外れるタイプで、小型犬に多く見られます。
大型犬では外側(外方脱臼)もまれにあります。
獣医師さんは脱臼の程度を4段階(グレード1〜4)で評価します。
| グレード | 状態の目安 |
|---|---|
| 1 | 通常ははまっているが、指で押すと外れる |
| 2 | 時々外れて、足を上げることがある |
| 3 | 常に外れているが、手で戻すと戻る |
| 4 | 常に外れていて、戻らない状態 |
軽度なら痛みがほとんどないこともありますが、進行すると関節炎や骨変形を起こし、歩けなくなることもあります。
グレード4になると常に痛みがあり手術をしないと歩けない場合もあります。
どんな犬に多いの?

🐶小型犬が中心
パテラは特に以下のような小型犬種で多く見られます。
- トイ・プードル
- チワワ
- ポメラニアン
- マルチーズ
- ヨークシャー・テリア
- ミニチュア・ダックスフンド など
これらの犬種はもともと膝の構造が浅かったり、骨格が細かったりするため、遺伝的に脱臼しやすい傾向があります。
🧬先天性と後天性
- 先天性:生まれつき骨や靭帯の位置・形が弱い
- 後天性:転倒、滑りやすい床、ジャンプの繰り返しなどが原因
家庭環境での「フローリング」「ソファの上り下り」「高いところからのジャンプ」など、日常のちょっとした動作が悪化要因になることも多いです。
こんな症状があったら要注意!

- 片足を一瞬上げてケンケンする
- 歩くときにスキップのような動きをする
- 足を曲げたまま立っている
- 抱き上げるときにキャンと鳴く
- 階段やソファを嫌がるようになった
- 散歩のあとに足を気にして舐める
最初は一時的でも、次第に頻度が増えるのが特徴です。
「元気だし大丈夫かな?」と放置せず、早めに動物病院で診てもらいましょう。
動物病院での診断と治療

🔍診断方法
触診で膝のお皿の動きを確認するほか、レントゲン検査で骨の形や関節のずれを詳しくチェックします。
💊治療法はグレードによって違う
1〜2の軽度であれば、生活改善・サプリ・筋力アップで進行を防ぐことが可能です。
3〜4の中〜重度の場合は、外科手術が推奨されることもあります。
保存療法(軽度の場合)
- 体重管理(太らせないことが第一)
- フローリング対策(滑り防止)
- ジャンプを控える
- サプリメントで関節を保護
- 太ももの筋肉をつける運動
外科手術(重度の場合)
膝蓋骨を支える溝を深くしたり、骨の向きを矯正したりする手術が行われます。
入院やリハビリが必要ですが、再発を防ぎやすくなるケースもあります。

日常生活でできるパテラの予防

① 滑らない床づくり
滑りやすいフローリングはパテラの大敵です。
カーペットやジョイントマットを敷いて滑りにくくするだけでも、かなり予防効果があります。
また、ペットが滑りにくいフローリング材や、滑りにくくするワックス剤なども販売されています。
② 高低差をなくす
ソファやベッドにぴょんと飛び乗る小型犬の様子は可愛いのですが、ジャンプは関節への大きな負担です。
ステップやスロープを設置してあげましょう。
③ 適正体重をキープ
肥満は膝への負担を倍増させます。
理想体重を維持することが、最大の予防策です。
【参考ブログ】あなたの愛犬は大丈夫?愛犬の太り過ぎ対策と安全なダイエット方法!
④ 適度な運動と筋トレ
パテラ予防には「太ももの筋肉(大腿四頭筋)」を鍛えることが大切。
散歩や坂道歩行、水遊びなど、無理のない範囲で続けましょう。
🐶飼い主さんができる日常チェック
- 床が滑りやすくないか
- 高い場所から飛び降りていないか
- 散歩中の歩き方がおかしくないか
- 足を気にしてなめていないか
- 体重が増えていないか
これらをこまめに観察しておくことで、早期発見・早期ケアが可能になります。
関節サポートに役立つペットサプリ

関節の健康維持をサポートする栄養分は色々ありますが、それらを食生活だけで補うのはなかなか難しいものです。
そこで役立つのがペットサプリです。
関節をサポートするペットサプリの成分としては、
- グルコサミン
- コンドロイチン
- MSM
- コラーゲン
- オメガ3脂肪酸
などが有名です。
これらを含む関節ケアサプリをうまく取り入れると、日常的な関節保護に役立ちます。
コラーゲンには30種類以上が存在
そのうち「コラーゲン」には実はいくつもの種類があり、体の部位や働きによって分かれています。
犬・猫・人間いずれも基本構造は同じで、「Ⅰ型」「Ⅱ型」「Ⅲ型」などが代表的です。
実はⅠ〜Ⅴ型までだけでなく、現在は30種類以上のコラーゲンが知られています。
それぞれが臓器や組織の「支え」「つなぎ目」「クッション」など、異なる形で体を守っています。
| コラーゲンの種類 | 主な場所 | 働きのイメージ |
|---|---|---|
| Ⅰ型 | 骨・皮膚・腱 | 強度と弾力を保つ |
| Ⅱ型 | 軟骨 | 衝撃を吸収するクッション |
| Ⅲ型 | 血管・皮膚・筋肉 | 柔軟性と再生力 |
| Ⅳ型 | 基底膜(細胞を支える膜) | 細胞の土台づくり |
| Ⅴ型 | 内臓・角膜 | 他のコラーゲンの形成補助 |
ヘルシーアニマルズの「Ⅱ型コラーゲンサプリ」は、この中でも軟骨保護に特化したⅡ型を配合しているため、
パテラ対策やシニア犬の関節ケアに非常に効果的です。
関節の表面は、軟骨がスポンジのように摩擦をやわらげることでスムーズに動いています。
この軟骨の約6割を占めるのがⅡ型コラーゲンで、関節の“すべり”や“衝撃吸収”に深く関わっています。
しかし、加齢や炎症、ストレスなどによってこのⅡ型コラーゲンが減少すると、
軟骨の弾力が失われ、パテラや関節炎などのリスクが高まります。
🦴Ⅱ型コラーゲンを補うメリット
- 軟骨の摩耗を防ぐ
- 関節のスムーズな動きをサポート
- 炎症を抑える
- 関節痛の緩和に役立つ
Ⅱ型コラーゲンは「非変性タイプ(UC-Ⅱなど)」で摂るのがポイントです。
加熱や加工に強く、体内で本来の構造のまま働いてくれます。
「Ⅱ型コラーゲンサプリ」 は、サメ軟骨に由来し、関節の軟骨部分をしなやかに保つ非変性Ⅱ型コラーゲンを贅沢に配合しています。
さらに、グルコサミンやコンドロイチンなどのサポート成分と一緒に摂ることで、より高い相乗効果が期待できます。
微細な粉末タイプで、いつものフードやおやつにふりかけるだけ。関節ケアが無理なく続けられます。
特に、シニア期や小型犬のパテラ予防にはおすすめですよ。
詳しい使い方やQ&Aはこちらです👉
🌿サプリでできるケアの組み合わせ例
できれば「コラーゲンサプリ」と一緒に使っていただくと骨や関節の健康維持に良いペットサプリをいくつかご紹介しますね。
ヘルシーアニマルズの【北海道たもぎ茸サプリ】には、関節の健康維持に役立つβグルカンや抗酸化成分が豊富に含まれています。
免疫バランスを整え、炎症を抑えることで関節の負担軽減をサポートします。
【参考ブログ】最近話題のたもぎ茸!ペットの認知症や腫瘍になぜいいの?
また、「【わんにゃんBIO乳酸菌入り】北海道産ヤギミルク」はカルシウムや必須アミノ酸を自然に補給できるため、成長期の骨形成やシニア期の骨の維持にもぴったりです。
「Ⅱ型コラーゲンサプリ」と一緒に摂ることで、内側からしなやかな関節づくりを応援します。
【参考ブログ】犬の便秘・下痢に効果的?乳酸菌とヤギミルクで腸内環境を整える方法
【カルシウム・ミネラルサプリ】(通称カルシウムサプリ)は、必須ミネラル16種類を含め、70余種類の海洋ミネラルを含有しているサプリです。
カルシウムは骨、歯を構成しているだけでなく、筋肉の収縮や神経のコントロールなどいろいろな動きをしているので、コラーゲンサプリと一緒に摂取することをおすすめしています。
パテラは「早めの気づき」と「環境づくり」で守れる!
犬のパテラは、遺伝や骨格の影響もありますが、生活環境や運動習慣で悪化を防げる病気です。
特に小型犬は足が細く、わずかな滑りやジャンプでも大きなダメージを受けやすいので、
毎日の暮らしの中での工夫がとても大切です。
Ⅱ型コラーゲンのように、関節そのものの構造を内側から支える成分を取り入れることで、
「痛くなる前に守る」ケアができます。
「うちの子はまだ若いから大丈夫」
そう油断しないで少しでも早めに予防を始めましょう。
健康な足で、これからも楽しくお散歩できるように。
飼い主さんのちょっとした気づきと思いやりで、愛犬の足を一生守ってあげましょう!
