まだ6月なのに、こちら札幌でも暑い日が続いています。
夜もエアコンなしでは寝苦しい時がありますよね。
夏になると温度も湿度も高くなり、愛犬も息苦しそうにしている…というご相談が増えます。
原因としてよく聞くのが「気管虚脱」という病気です。
最近、愛犬が「ガーガー」「ゼーゼー」と変な呼吸音を出していたり、
咳き込むことが増えた…なんてことはありませんか?
今回は、犬に多い呼吸器疾患「気管虚脱」について、
原因・症状・治療法・予防法などをわかりやすく解説します。
特に小型犬を飼っている方は、ぜひ知っておいてくださいね。

気管虚脱ってどんな病気?

「気管虚脱(きかんきょだつ)」というと物々しい名前ですが、
どのような疾患なのでしょう。
犬の気管は、本来ストローのように筒状になっていて、空気がスムーズに通る構造です。
その気管の壁には「気管軟骨」と呼ばれる硬いリング状の組織が並び、気管の形をしっかり保っています。
でも、何らかの原因でこの気管軟骨が弱くなり、呼吸のたびに気管がぺしゃんと潰れてしまう状態が「気管虚脱」です。
特に吸い込むとき(吸気時)に気管が潰れやすくなり、
ガーガー、ゼーゼー、ガフガフ…と特徴的な呼吸音が聞こえるのがこの病気の特徴です。
気管虚脱になりやすい犬種は?

この病気は小型犬に多いです。
特にリスクが高い犬種の例を挙げます。
- トイ・プードル
- ポメラニアン
- チワワ
- ヨークシャー・テリア
- パグ
- シー・ズー
- マルチーズ
- 柴犬
「短頭種」と言われる犬種が多いですね。
これらの犬種は、遺伝的に気管軟骨が弱い子が多く、成犬~シニア期になると症状が出てくることがよくあります。
もちろん、大型犬でもまれに発症することはありますが、圧倒的に小型犬に多い病気です。
気管虚脱の主な症状は?

愛犬が以下のような症状を見せたら要注意です。
- 散歩や興奮時に「ガーガー」とガチョウの鳴き声のような咳
- 呼吸がゼーゼー、ヒューヒュー苦しそう
- 首を伸ばして呼吸しようとする(呼吸がしづらい)
- 夜中や寝ている時に突然の激しい咳
- 吐くようなしぐさで咳き込む
- 酸素不足で舌や歯茎が紫色(チアノーゼ)
特に、運動後や暑い日、興奮したときに悪化するのが特徴です。
これからの暑い日が続く季節には発症しやすいです。
「最近、変な咳が続くな…」と感じたら、早めに動物病院で相談してくださいね。
気管虚脱の原因は?
原因は一つではありません。
主に次のような要素が関係しています。
① 先天性(生まれつき)
小型犬で多いのがこれです。
もともと気管軟骨が弱く、成長とともに症状が出てくるケースです。
② 加齢による軟骨の老化
シニア犬になると、気管軟骨がだんだん弾力を失い、変形してくることがあります。
③ 肥満
脂肪が気管を圧迫し、呼吸がしづらくなり、虚脱が悪化することもあります。
④ 呼吸器への長年の負担
- 引っ張り癖が強いのに首輪で散歩している
- 慢性的な気管支炎
- アレルギー性気管支炎や環境アレルギー
これらも気管に負担をかけ、悪化の原因になります。
気管虚脱の診断方法
動物病院での診断は、次のような検査を行うことが一般的です。
- 胸部レントゲン検査
気管のつぶれ具合や肺の状態を確認します。 - フルオロスコピー(透視検査)
リアルタイムで呼吸時の気管の動きを見ることができ、診断精度が高いです。 - 気管支鏡検査
カメラを使って直接気管内を見る方法。ただし全身麻酔が必要な場合もあります。
症状が軽度ならレントゲンだけで診断することもありますが、重症度の判定には詳細な検査が必要です。
治療法は?

気管虚脱の治療は、症状の重さによって異なります。
▶ 軽度~中等度の場合(内科治療)
- 咳止め薬
- 気管支拡張薬
- 抗炎症薬
- 体重管理
- ハーネス使用(首輪を使わない)
日常生活での環境改善も重要です。
例えば気管虚脱の悪化を防ぐためには、普段の散歩で「引っ張り癖」を改善することもとても大切です。
首輪での強い引っ張りはもちろん、ハーネスを使っていても過度なテンションがかかると、気管や呼吸器に負担がかかってしまいます。
▶ 引っ張り癖改善のポイント!
① リードを短く持ちすぎない
ピンと張った状態ではなく、リードに少し余裕を持たせて、犬が自分で「ゆったり歩くこと」を学べるようにしましょう。
② アイコンタクトを取りながら歩く
歩きながら飼い主さんの顔を見るクセをつけると、自然にペースもゆっくりになります。
ごほうびのおやつや声かけで楽しくトレーニングしましょう。
③ 「ストップ&ゴー」のしつけ
引っ張ったらその場で立ち止まり、犬がリードを緩めたらまた歩き出す。
この繰り返しで「引っ張ったら進めないんだ」と犬が学んでくれます。
④ 専用トレーニングハーネスの活用
最近では、前胸部分にリードがつけられる「前づけタイプのハーネス」など、引っ張り防止に役立つグッズもあります。
気管に負担をかけないことが第一なので、愛犬に合ったハーネス選びも大切です。
▶ 重度の場合(外科手術)
内科治療で改善しない場合、外科手術が検討されます。
手術法には次の2種類があります。
- 気管ステント留置術
金属の網状ステントを気管内に入れて、潰れないよう支える方法。 - 気管外プロテーゼ法
気管の外側にリング状のサポーターを装着する方法。
手術はリスクもあるので、獣医師さんとよく相談することが大切です。

自宅でできるケアと予防法
気管虚脱は「完全に治る」病気ではありませんが、上手に付き合えば愛犬の生活の質(QOL)は十分に保てます。
飼い主さんができることをまとめてみます。
1. 首輪ではなくハーネスにする

散歩の時は必ずハーネスを使いましょう。
首への圧迫は禁物です。
2. 体重管理

太りすぎると、首や体についたお肉が気管を圧迫することがあります。
適正体重を維持することで、気管への負担を軽減できます。
3. 興奮させすぎない
興奮しすぎると呼吸が乱れて発作を起こすことがありますので、運動や遊びは適度を心がけましょう。
4. 室内の空気環境に注意

- タバコの煙
- ホコリ
- 香水や芳香剤
- 花粉、PM2.5
室内の空気に存在する刺激は咳を誘発するので、できるだけ避けるようにしましょう。
5. 温度・湿度管理

特に夏の暑さ、湿気は要注意です!
熱中症予防のためにも、エアコンや除湿機を上手に使いましょう。
身体のバランスサポートに「アニマルバランスバンド」
気管虚脱の子は、呼吸が苦しいことで首や肩、背中の筋肉が常に緊張してしまうことがあります。
そんな時にぜひ試してほしいのが、ヘルシーアニマルズでお取り扱いしている「アニマルバランスバンド」です。
ワンちゃんの体格に合わせてS~XLサイズがあります。
▶ 特徴
- 天然鉱石のパワーで筋肉のこわばりをやわらげる
- 軽くてソフトな素材、嫌がらずに装着できる
- 気管まわりに負担をかけない設計
- 散歩やおでかけ中にも着用OK!
呼吸が浅い子、背中が丸くなりがちな子、リラックスが苦手な子にぴったりです。
日常ケアの一つとしてぜひ取り入れてみてくださいね。
内側からの健康サポートには「たもぎ茸サプリ」
内側から愛犬の健康維持をサポートするためにおすすめしたいのが、ヘルシーアニマルズの「たもぎ茸サプリ」です。
▶ たもぎ茸サプリとは?
北海道産の貴重なきのこ「たもぎ茸」を使った、免疫サポート系サプリメントです。
たもぎ茸はβグルカン、アミノ酸、ビタミン、ミネラルが豊富で、呼吸器系の健康維持にも役立つと言われています。
▶ こんな子におすすめ!
- 呼吸器が弱く、体調を崩しやすい子
- 繰り返す咳が心配な子
- 加齢による免疫力低下が気になるシニア犬
- 食が細い、元気がない
粉末タイプは毎日のごはんにふりかけて手軽に与えられますし、
液体タイプはスープ感覚で与えることができます。
気管虚脱のケアは、外からのケア(環境・筋肉サポート)と内側からのケア(免疫・栄養サポート)の両方が大事なので、ペットサプリも上手に活用してみてくださいね!
気管虚脱と上手につきあっていこう
気管虚脱は、進行性の病気ではありますが、早期発見・早期治療、そして日常ケアで愛犬の生活の質を保つことが十分可能です。
「うちの子、最近よく咳をするな…」
「呼吸が苦しそう…」
そう感じたら、早めに動物病院で相談してくださいね。
そして、自宅でできるケアとして、ハーネスの使用、体重管理、空気環境の見直し、免疫ケアなど、
飼い主さんができることから少しずつ始めていきましょう。
愛犬が少しでも快適に、楽しく毎日を過ごせますように!
