2025.06.29

【ブログ】新しい愛犬・愛猫と幸せに暮らすために。飼う前に考えておきたい5つのこと


最近、ワンちゃんが長生きして虹の橋を渡ったお客様にお会いしますと「また新しくワンちゃんを迎えようかとても悩んでいる」というお話をよくお伺いします。

先代のワンちゃんとの楽しかった生活を思うと、できればまた新しいパートナーを迎えたいと思っていても、ご自身が50代~60代以上になっている場合、ワンちゃんの寿命を考えると悩んでしまう、と多くの方がお考えのようです。

そうですよね。
ワンちゃんは15年から20年生きる子も多いですので、
特に飼い主さんが中高年になってから新しくお迎えする場合、最後までしっかり面倒を見られるかな?と心配が生まれますよね。

ペットの愛らしい姿や癒やしの存在感は、まさに“家族”そのもの。
ですが、動物を迎えるということは、命を預かるという責任のある行動です。
見た目の可愛さだけではなく「この子の一生に寄り添う覚悟があるか?」という視点を持つことも大切です。

この記事では初めて犬や猫を家族に迎えようとお考えの方も、二代目以降の子をお迎えしたいという方も、事前に考えておくべき大切なポイントを、5つに絞ってご紹介します。
後悔のないペットライフの第一歩として、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1. ライフスタイルに合っているか?

ペットを飼ううえでまず最初に考えたいのが「自分の生活に本当に犬や猫を迎えられる余裕があるのか?」という点です。
犬と猫では必要なケアや関わり方に大きな違いがありますし、それぞれの個体にも性格の違いがあります。
また犬種によっても性格や行動が大きく異なってくるのがワンちゃんです。

■ 犬の場合

犬は基本的に「人と一緒に何かをする」ことが好きな動物で、毎日の散歩やしつけ、運動、コミュニケーションの時間が必要です。
特に子犬期にはしっかりとしたしつけが求められ、家族の協力も不可欠です。

例:
共働き家庭で子犬を迎えたあるご夫婦は、トイレの失敗や夜泣きに苦労したそうです。
夜間に何度も起こされ、仕事中も「家で粗相していないか」と気が気でなかったとのこと。
出張で家を空けることもあったので、最終的には、ペットホテルやペットシッターを見つけて子犬の時代を乗り越えたそうですが、想像以上の大変さを感じたと言います。

■ 猫の場合

猫は比較的自立した動物で、散歩は不要ですが、完全室内飼育では運動不足やストレスのケアが必要です。
猫によっては引っ越しや新しい家族に強いストレスを感じて体調を崩すこともあります。

例:
保護猫を迎えた際、最初の数日は押し入れから出てこなかったそうです。
しかし、無理に触れずに静かに接することで少しずつ心を開き、数週間後には膝に乗ってくるようになったとのこと。

ペットの性格や習性を理解し、自分の生活スタイルと照らし合わせてパートナーになる子を選ぶことが、互いに幸せな暮らしの第一歩です。
今まで飼っていた子を亡くし、新しくお迎えしたい場合でも、先代と同じ犬種(猫種)で良いのか?
10年、15年先を考えると、受け入れる場合はどのような子が良いのか?ということを改めて考える必要があります。

例えばそれまでは多く散歩させる必要がある大型犬を飼っていたご家庭でも、飼い主さんが今後加齢で脚力が衰えてくることを想定すると、大型犬より短い散歩でOKな小型犬や、もしかしたら散歩の必要がない猫も選択肢に入ってくるかもしれません。

ペット選びって、この子がいい!という直感も大切ではありますが、一緒に過ごす将来を冷静に見極めることも大切ですよね。
参考になる記事を見つけました。よろしければこちらもどうぞ。
犬をお迎え(購入)する際の注意点まとめ!トラブルを防ぐために知っておきたいポイント
「猫を飼う前に調べておきたい情報は?後悔しないために知っておこう」(ペット&ファミリー損保のサイトより)

2. 経済的な負担を受け入れられるか?

ペットを飼うには、思っている以上にお金がかかります。
日常的なフード代やトイレ用品に加えて、医療費や予防接種、災害時の備えまで幅広く考えておく必要があります。
今まで飼っていた方なら十分お分かりだと思いますが、初めてペットを飼う方はそれを計算に入れておきましょう。

私は保護猫の譲渡会に参加した際に「譲渡にはそれまでの医療費や予防注射の費用が必要です」という説明を聞いた途端「お金がかかるの?それならいらない!」と驚いている家族を見たことがあります。
ペットを飼うにはある程度の費用が必要ですし、保護猫でも多くの団体ではそれまでに必要とした医療費を負担することが譲渡の必須条件となっています。
そのご家族はルールをご存じなかっただけかもしれませんが、傍目に見ていて、マッチングしなくて良かったとほっとしました。

保護猫の受け入れにかかる費用は予防注射や治療を受けた場合の実費で、猫をペットショップで買うことを考えると少額です。
それでも「受け入れにお金がかかるならいらない」とおっしゃるご家族がもし猫を飼ったとしても、きちんと予防接種や健康診断に連れて行くか不安が残ります。
ペットを健康で幸せな状態で飼うには必要経費がかかります。
費用は、一緒に暮らす前にある程度リアルに理解しておく必要がある項目です。

■ 初期費用の例

  • ワクチン接種:5,000〜10,000円
  • 健康診断:5,000〜15,000円
  • 避妊・去勢手術:15,000〜50,000円(体重や地域により変動)
  • ケージやキャリーケース、ベッド、食器、首輪など:20,000円以上

■ 継続的な費用

  • フード代:月数千円〜1万円前後
  • 猫砂・トイレシーツ:月1,000〜3,000円
  • 定期健診・ワクチン:年1〜2万円
  • ペット保険:月1,000〜5,000円

例:
10歳を超えた中型犬を飼っているご家庭では、関節炎の治療に月々1万円以上の薬代がかかっています。
突然の病気に備えてペット保険に加入していたため大きな負担は避けられたそうですが、保険未加入であれば手術や通院費に何十万円とかかることもあります。

3. 家族全員の同意と協力があるか?

ペットを迎えると、家族全員が生活に関わることになります。
世話をする人、遊ぶ人、通院に付き添う人など役割分担も必要です。

例:
お子さんの「犬が欲しい!」という一言から飼育を始めた家庭では、最初はお世話を約束したものの、お子さんはだんだんとお世話が面倒になってゆき、数か月後にはすべての世話が両親に回ってしまったそうです。(ありがちなパターンですね…)

チェックポイント:

  • アレルギーの有無
  • 誰が主に世話をするか
  • 将来の進学・転勤・介護の可能性
  • 鳴き声や抜け毛への許容度

迎える前に「誰がどんな役割を担うか?」をしっかり話し合っておきましょう。

4. 一生を共にする覚悟があるか?

犬や猫の寿命は平均10〜15年、中には20年近く生きる子もいます。
その期間、飼い主さんの人生の中でさまざまな変化があっても、そのすべてをペットとともにする覚悟が必要です。

例:
大学生のときに猫を迎えた方が、就職後に引っ越すことになりました。
新居がペット不可だったため、実家に猫を預ける選択をしましたが、猫は環境の変化で体調を崩してしまいました。
この方は後悔し、翌年ペット可の物件に再転居して猫を迎えに行ったそうです。

もし自分に何かあった時にペットの面倒を見てくれる人はいるか、終生飼育できるだけの覚悟があるか、しっかりと考えておきましょう。

5. 正しい知識と心構えを持っているか?

インターネットには情報があふれていますが、中には誤ったものも多く、
飼い主自身が「学び続ける姿勢」を持つことがとても大切です。

例:
SNSで「猫に牛乳を与えている動画」を見て真似した結果、下痢を起こしてしまったというケースがあります。
牛乳に含まれる乳糖を猫はうまく消化できず、下痢や嘔吐を引き起こす可能性があるため、猫に牛乳を与えるのは推奨されていません。
可愛いと思っても、食べていいもの・いけないものをきちんと学びましょう。

また、犬や猫も高齢になると認知症や介護が必要になることがあります。
排泄の失敗や夜鳴き、徘徊などに悩む飼い主さんも少なくありません。

📌 保護犬・保護猫を迎えるという選択肢

ペットショップだけが動物を迎える方法ではありません。
保健所や動物愛護センター、保護団体では、家族を待っている犬猫がたくさんいます。
保護犬や保護猫には過去に心に傷を負った子もいますが、時間をかけて信頼関係を築けば、深い絆が生まれます。
以下、北海道内で活動している主な保護犬・保護猫団体をご紹介します。
他の都道府県にお住まいの方も、各地域に活動している団体がありますので、一度調べてみるのも良いかもしれません。

🐾 NPO法人 HOKKAIDOしっぽの会(長沼町・札幌など)

  • 概要:2005年に任意団体として活動開始、2013年に認定NPO法人に。保健所や自治体から行政処分対象の犬猫を引き取り、譲渡会で里親を探しています。(noranekokazoku.amebaownd.com, shippo.or.jp)
  • 拠点:夕張郡長沼町にシェルター、札幌圏の行政機関と連携。
  • 現在の保護状況:約100頭の犬猫が新しい出会いを待っています。(shippo.or.jp)
  • 募集中の譲渡情報:HPや保健所情報の更新が頻繁で、猫も多数掲載中。(shippo.or.jp)

🐾ツキネコ北海道(札幌市)

  • 概要:札幌市を拠点に、猫の相談窓口設置やTNR(捕獲・不妊去勢・リリース)支援、譲渡型猫カフェの運営など、包括的に保護猫支援を行っています。(tsukineko.net)
  • 活動内容:年に渡る譲渡実績多数、猫カフェで里親との接点づくりも実施。
    総保護数は累計で約2,100匹(卒業1,822匹、募集279匹)と大規模。

🐾特定非営利活動法人 ニャン友ねっとわーく北海道(札幌・道南など)

  • 概要:道南・道央・道北まで広域で活動。
    地域猫のTNR、預かりボランティア、災害対応など、多岐にわたる支援を展開する団体です。(animaldonation.org)
  • 特徴:譲渡率は80%以上。胆振東部地震の際には90日間連続で動物救援に携わるなど、高い組織力も特筆。(animaldonation.org)
  • イベント情報:6月に洞爺湖や函館で譲渡会開催。
    函館市動物愛護センターとの合同譲渡会なども定期実施。(nyantomo.jp)

🐾NPO法人 わんハート~尊い命達と共に~(札幌市)

  • 概要:保健所に収容された犬猫、野良の子を保護し、里親へつなぐ活動を札幌圏で実施しています。(wanheart.org)
  • 支援体制:寄付・物資協力で運営。グッズ販売(本革製カードケースなど)やトリミング支援も実施し、収支も公開。(wanheart.org)

🐾犬猫保護団体 レオ(札幌市)

  • 概要:殺処分ゼロを目標に、犬猫保護と譲渡会の開催などを継続しています。サポーター制度を整備し、安定した運営を展開。
  • 支援:会費&募金は医療費・生活費等に充当し、透明性の高い運用を実践。(leo-0901.com)

🐾ドッグレスキューしおんの会(浜中町・道東)

  • 概要:2006年から東北海道(浜中町)で活動。野犬の仔犬を保護し、譲渡する専門組織です。(dogrescue-zion.net)
  • 対応範囲:見学・譲渡対応は週6日。施設保護中心で、直接会って検討できます。(dogrescue-zion.net)

🐾釧路アニマルレスキュー RedHeart(釧路市・道東)

  • 概要:釧路管内の保健所や行政依頼による犬猫の保護と譲渡支援を行っています。
  • 活動方針:野良、迷子、飼育放棄の子を対象にあたたかい家庭へつなぐ努力を継続中。(kushiroredheart.org)

🐾北海道動物愛護センター(“あいにきた”体制)

  • 概要:道内4地区(道央・道東・道北・道南)に設置され、保健所収容後の引き取り、飼育、譲渡を支援しています。道央センターは基幹拠点として啓発・調整も担います。(pref.hokkaido.lg.jp)
  • 札幌市連携:「あいまるさっぽろ」プログラムでは中央区施設にて収容動物の直接譲渡も可能。(city.sapporo.jp)

📌 支援したい時・里親になりたい時には

  1. 各団体のWebやSNSで譲渡会・募集情報を確認
  2. 基本的に事前面談・見学予約(団体によっては予約なしも可)
  3. 寄付・物資もどの団体でも大歓迎。Amazonリストや口座案内もチェックしてみてください。

📌 体験できるボランティアや一時預かり制度の活用

いきなり飼い始めるのが不安な方は、動物保護団体のボランティア活動や、一時預かり(フォスター制度)に参加してみるのもおすすめです。

ボランティアの例:

  • 保護施設での清掃、餌やり
  • 散歩ボランティア
  • 譲渡会の運営サポート
  • 一時的な家庭での預かり(1週間〜数ヶ月)

これらの活動を通して「動物とのリアルな暮らし」を体験できますし、自分に向いているかを見極める良い機会にもなります。
そのような制度を設けている団体も多いのでサイトで調べてみてください。

おわりに 〜 命を迎えるということ

ペットとの暮らしは、たくさんの癒しや喜び、そして学びを与えてくれます。
無邪気なまなざしや、そっと寄り添ってくれるぬくもりは、かけがえのない宝物になるでしょう。
しかしその裏側には、責任や手間、時には辛さもあります。
だからこそ、犬や猫を「モノ」や「気分」で飼うのではなく、「命」として大切に向き合ってほしいと願います。
新しい家族としてペットを迎える準備をすることは、自分自身の生き方を見つめ直す機会にもなります。
どうか焦らず、じっくりと考えてから、一歩を踏み出してください。