飼い主さんから多く相談が寄せられるお悩みの「涙やけ」。
目の周りの毛や皮ふが涙や目やにの影響で変色してしまう症状です。
淡色のワンちゃんにはよく見られる状態ですね。
こちらのブログでも毎年原因や対策などをご紹介していますが、
今回は特に「体内の原因」「体内からのケア」に注目していきたいと思います。
目の周りをローションでふきふきしたり、
外側から一生懸命ケアしているのにキレイにならない…とお悩みの飼い主さんに、
ぜひ読んでいただければと思います。

涙やけはバクテリアが原因!

涙やけの原因は、出すぎた涙や目やににバクテリアや真菌が繁殖することです。
バクテリアや細菌が目の周りの毛や皮ふを変色させて、色素沈着を起こしてしまうのです。
涙自体は無害で、目を守ってくれる大切な体液ですが、
出すぎて常に目の周りがしっとりした状態になると
バクテリアや真菌が繁殖しやすく問題が生じます。
例えていうと、湿度の高い部屋で洗濯物を部屋干しすると
なかなか乾かないので、タオルに雑菌が繁殖して臭くなったりすることがあるのと同じ仕組みです。
(すみません!いやな例えですね~!!)
また涙自体に変色成分が含まれていることもあります。
「ポルフィリン」という物質です。
これは体が鉄分を分解するときに生成される物質で、
涙から出てくることがあり、
目の周りの毛や皮ふを茶色く変色させます。
ポルフィリンはヘム鉄に含まれているので、
体内で何らかの原因でヘム鉄を含む
赤血球が分解されている場合や、
外からの原因ですと鉄分の多いお水を飲んでいる場合にも出やすい症状だそうです。
いずれにせよ涙が出すぎた結果、
目の周りの毛や皮ふが涙で濡れたままになっていることが
涙やけを引き起こしているのですから
涙が出すぎている状態を放置するのはNGです!
外側からのケアだけでは不十分

シンプルに考えると
「じゃあ、涙を拭けば涙やけは治るんじゃない?」と思ってしまいますが、
執事のようにハンカチを持って
四六時中ワンちゃんの目の周りを拭いてあげるわけにもいきません。
(やってあげたいものですが😊)
それに、ただ拭き取るだけでは目の周りにバクテリアや真菌やポルフィリンは残ります。
涙やけを抜本的に治すには、
「涙をふき取り殺菌する」という外側からのアプローチと、
「涙が多すぎる原因を突き止め、改善する」という内側からのアプローチの両方が必要なのです。
外側からのアプローチとしては、
殺菌効果のある涙やけ専用ローションもありますし、
病院では目に塗る「目軟膏」を処方されることもあります。
ヘルシーアニマルズでは天然成分「北海道産アカエゾマツ精油」の
抗菌効果を生かした「スキンプロテクトスプレー」も
涙やけ対策のロングセラー商品となっています。
先ほどの「部屋干しのタオルがくさい」という場合に例えましたら
外側からのアプローチは
「抗菌タイプの洗剤や柔軟剤を使う」
「Fァブリーズをスプレーする(!)」という方法です。
内側からのアプローチは、
タオルを干す環境自体を改善することです!
「部屋干しをやめ、乾燥機を使う」
「エアコンを使って部屋を乾燥させる」といったことです。
ワンちゃんの涙やけの場合も、
拭き取り剤や外用薬で、
涙をふき取り殺菌するとともに、
涙の量が多すぎる原因を突き止め、
改善することが必要です。
流涙症の原因は?

ワンちゃんの涙が出すぎている状態を「流涙症」といいます。
流涙症には以下のような原因が考えられます。
- 目に異物が入った
- 涙が流れる経路に異常がある
- 角膜潰瘍や緑内障など目の疾患
- 目の周りの筋肉が発達していない(幼い子など)
- アレルギー
このうち1~3が原因の場合は原因を改善することで
涙の量を戻していくことができます。
また4の場合も成長の過程で涙が減っていきます。
ちょっとしつこいのは5の「アレルギー」が原因と思われる場合です。
アレルギーとは、本来体を守るはずの免疫が
特定の物質に過剰に反応している状態のことです。
アレルギーで涙が増える理由

人間も花粉の季節に目がウルウルすることがありますが、
なぜアレルギーで涙が増えるのでしょう?
アレルギーを起こす特定の物質(抗原)をアレルゲンと呼びます。
アレルゲンには様々な種類がありますが、
花粉やハウスダストなど空中を浮遊するタイプのアレルゲンが目の結膜に入ると、
アレルギー反応が起きて結膜炎を起こし、
必要以上に涙が出るという仕組みです。
ちなみにワンちゃんの場合のアレルゲンには、
以下のようなものがあります。
- 花粉、草、木の実など植物によるもの
- ハウスダスト(繊維や動物のフケなどの混合物)
- ノミやダニなどの寄生虫
- カビの胞子
- 細菌
- 真菌(カビ)
- 食品(牛肉、鶏肉、乳製品、卵、小麦、穀物、大豆など)
- 薬剤
- カーペット、プラスチック、クリーニング製品など
ワンちゃんがアレルギーを起こすとよく現れるのが
「アレルギー性皮膚炎」です。
アレルギー性皮膚炎はアレルゲンの種類によって
以下に分かれます。
- 食物要因が原因…食物アレルギー性皮膚炎
- 環境要因が原因…犬アトピー性皮膚炎
いずれの場合も強いかゆみが特徴です。
もし目の周りに皮膚炎が現れると結膜炎となり、
流涙症の原因となることがあります。
かゆくてかきむしる結果、
細菌などに二次感染して症状が悪化することもあります。
アレルギーの多い犬種

アレルギーを起こしやすいと言われている犬種(好発犬種)があります。
食物アレルギーは幅広い年齢の子が発症します。
環境アレルギーは生後6か月~3歳ぐらいまでの若いうちに発症する子が多いです。
以下のような犬種の子と一緒に暮らしている飼い主さんは
予め気をつけてあげましょう。
食物アレルギーが多いと言われる犬種
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- パグ
- ボクサー
- ミニチュア・シュナウザー
- ダックスフンド
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアなど
環境アレルギーが多いと言われる犬種
- フレンチ・ブルドッグ
- パグ
- 柴犬
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ラブラドール・レトリーバー
- ゴールデン・レトリーバー
- ヨークシャー・テリアなど
アレルギーを改善するには?

ワンちゃんがアレルギーが原因と思われる症状を発症した場合、
原因となっている物質(アレルゲン)が何であるかを特定し、アレルゲンとの接触を極力避けるようにすることが必要です。
ワンちゃんのアレルゲンを特定するためには、以下のような検査方法があります。
1.皮内反応試験
ワンちゃんの皮膚に、アレルギーの原因となっている可能性が高いと考えられる物質を少量ずつ注射し、その反応を見る検査です。ハードルが高いので実際に行っている病院は少ないです。
2.アレルゲン特異的IgE検査
ハウスダストや花粉といった環境中のアレルゲンを特定するため、現在もっとも一般的に行われています。IgEは体内で作られる抗体である免疫グロブリン(タンパク質)の一種で、それぞれのアレルゲンに対して特異的に作られるので、それを調べることでアレルゲンとなっている物質を知ることができます。血液検査でできます。
3.リンパ球反応試験
白血球の一種であるリンパ球を介して起こるⅣ型アレルギーを調べることができる検査です。
食物アレルギーが疑われる場合には、アレルゲン特異的IgE検査と併せてリンパ球反応検査を行うことが多くなってきています。血液検査でできます。
4.除去食試験
食物アレルギーが疑われる場合、原因となっている食物を特定するために行います。一定期間、アレルゲンと疑われる物質を除いた除去食を与え、症状の改善状況を調べることを繰り返すことで、アレルゲンとなっている食物を調べることができます。
手間と期間はかかりますが高い精度でアレルゲンとなっている食物を知ることができます。
ペットのアレルギー検査の費用は病院によって異なりますが、獣医師さんが治療の一環として検査を行う場合、ペット保険が適用となることも多いですので、皮膚炎が続く場合は、一度調べておくと安心ですよ。
免疫の働きを整えよう!

先ほども書きましたが、アレルギーとは免疫反応の異常です。
本来体を守ってくれるはずの免疫システムの不調によって、
特定物質を激しく攻撃することとなり、アレルギーが起きるのです。
アレルギーを改善するには、
アレルギー症状に対する対症療法とともに、
免疫システムの働きを整える必要があります。
免疫システムの働きを整えるためには、
栄養バランスのよい食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスのない生活など
生活の基本を整えるとともに、
腸内環境を整えることが有効です!
腸内には免疫細胞の約70%が存在しており、
腸内フローラ(大腸細菌叢)のバランスを整え、
善玉菌優位にしてあげることで、
免疫細胞の活動が促進され、
免疫システムが整うと言われています。
腸内環境を改善し、
免疫力をアップするために、
ヘルシーアニマルズのオススメは
約50 品目の野菜類を自然発酵してつくった
「植物発酵酵素サプリ」(通称:酵素サプリ)です。
酵素サプリは、
酵素が野菜や果物の栄養をじっくりと分解した生成物です。
23種類のオリゴ糖が含まれているので、
腸内細菌(特に善玉菌)のごはんになり、
腸内細菌がスクスク育つのです。
粉末タイプはお食事に混ぜたりふりかけるだけ、
液体タイプは甘くて美味しいのでワンちゃんは喜んで舐めてくれますよ。
お薬ではないため、症状にすぐ効果が出るというより、
じっくりと腸内環境を作り上げていくお助けになるものですので、
お守り感覚で召し上がっていただき、
体を守る機能(免疫力)の向上にお役立ていただければと思います。
免疫システムは進化の過程で生物が獲得してきた
生物にとって最も心強い自己防衛手段です。
暴走や激減を防ぐために、
日頃から免疫力を
コツコツと「貯金」していきましょうね。
