2025.02.24

【ブログ】早期に発見しよう!命に関わることもある、猫ちゃんの貧血。

書き出しからショックなお話で申し訳ないのですが、
最近、私の知人の愛犬が急死してしまいました。
その原因は「免疫介在性溶血性貧血」という貧血の一種です。
後述しますが、自分の免疫が体内で赤血球を破壊(溶血)することにより、
重度の貧血が進行し命に関わる病気です。
入院して治療を受けているというお話を伺ってから数日の間に病状が悪化し、
虹の橋を渡ってしまったそうです…。

稀に再生不良性貧血など命に関わるものもありますが、
人間で「貧血」はよく聞く症状です。
しかしペットの場合は、何らかの病気が原因で発症することが多いのです。
体が小さい分、貧血状態が続くと体に与えるダメージは大きいですし、
言葉が話せない分発見が遅れてしまうこともあります。

ヘルシーアニマルズでは最近、ペットの貧血、特に猫ちゃんの貧血について
ご相談を受けることが多いです。
そこで今回は「猫ちゃんの貧血」について詳しく勉強していこうと思います。

貧血ってどんな状態?

「貧血」というと「血液量が少ない状態」だと思われることがありますが、
とても簡単にいえば「血が薄くなった状態」です。

人間もペットの血液も主に以下の要素で構成されています。

  • 赤血球:酸素と栄養を全身に運ぶ
  • 白血球:外敵から身を守る
  • 血小板:出血を止める
  • 血漿:血管を満たしさまざまなものを運ぶ

貧血とは、ペットも人間も、
血液中の赤血球やヘモグロビン濃度(Hb量)が通常よりも低い状態」です。

ヘモグロビンとは赤血球に含まれる色素たんぱく質のことです。
哺乳類、魚類、ミミズさんなど(!)が共通して血液内に持っていて、
「ヘム」という鉄を含む分子と、
「グロビン」というたんぱく質で構成されています。

ヘモグロビンは肺で酸素と結合し、
血液に乗って全身の細胞に酸素を運び、
組織で不要になった二酸化炭素の一部を肺に運びます。
赤血球の中のヘモグロビンが減ると、全身の細胞に運ばれる酸素の量が減るため
様々な問題が現れてしまうのです。

なおヘモグロビン濃度は高ければ高いほど良い!ということでもありません。
高すぎる場合は「多血症」「脱水」が疑われ、
血液がドロドロになる結果、合併症を引き起こす可能性もあります。

貧血の診断は他にも「ヘマトクリット」(血液中に含まれる赤血球の容積を示す指標)や
赤血球数など総合的な要素から行われます。

猫ちゃんの貧血の分類

人間では結構、貧血の方っていらっしゃると思います。
特に女性は生理で出血があるため、
健康診断で貧血気味と言われたことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし猫ちゃん(ワンちゃんもですが)の場合の貧血は、
残念ながら何らかの病気やケガに由来するものが多いです。

貧血となる仕組みを大きく分類すると3つに分かれます。
知っていただいた上で次から紹介する具体的な原因を見てみましょう。

失血性貧血

体から大量の血液が失われたことに起因する貧血(ケガ、寄生虫など)

溶血性貧血

体内で赤血球が破壊されたことに起因する貧血(免疫介在性、中毒など)

非再生性貧血

体内で新しい赤血球が作れなくなったことに起因する貧血(骨髄異常、栄養不良など)

具体的な原因は?

では、猫ちゃんが貧血を起こす具体的な原因には
どのようなものがあるのでしょうか。

①出血

外傷
内臓や消化管からの出血
寄生虫などによる継続的・慢性的な出血

②栄養不良

鉄やビタミンB12、葉酸などの栄養素不足

③骨髄異常

骨髄の異常によって赤血球を作ることができない場合
遺伝性の疾患(例:犬の先天性無形成赤血球症)の場合

④免疫介在性

免疫系が誤って赤血球を攻撃する自己免疫性の疾患(自己免疫性溶血性貧血(AIHA))など

⑤甲状腺機能低下症

体の代謝が落ちるため必要な酸素量が減ることに従って赤血球も減少する

⑥慢性腎臓病

慢性腎臓病では腎臓で分泌されるエリスロポエチンというホルモンが不足し赤血球の産生が低下してしまうことがある(腎性貧血)

⑦中毒

玉ねぎなどネギ科の食物を食べた場合に起きる赤血球の破壊(溶血)

⑧感染症

  • 猫白血病
  • 猫エイズ
  • 猫伝染性腹膜炎
  • 猫汎白血球減少症
  • マダニが媒介し赤血球に寄生するバベシアなどの原虫
  • 赤血球を破壊するヘモバルトネラなどへの感染

猫ちゃんの貧血の兆候は?

ここまで貧血の原因を見てきましたが、正直なところ、
骨髄異常や免疫介在性、遺伝性、甲状腺異常などの疾患によるものは、
残念ですが予防することができません。

しかし飼い主さんが早く貧血の兆候に気づき、
病院に連れて行ってあげることで早期に治療に取り組めます。
以下のような兆候があればすぐに病院に連れていきましょう。

  • 元気がない(倦怠感)
  • 食べられない(食欲不振)
  • 呼吸困難や息切れ
  • 嘔吐や下痢
  • 歩行困難や立ち上がるのが難しい
  • 歯茎や粘膜の色が白っぽくなる
  • 足元がおぼつかなくなる(歩行困難)
  • お口の中や歯茎が黄色っぽくなる(黄疸)
  • 血便や血尿が出る

貧血は基本的に歯ぐきや粘膜の色が白っぽくなりますが、
体内で赤血球が破壊されることで起きる「溶血性貧血」では、
黄疸が起きることもあります。

日ごろから歯みがきをしてあげる習慣があれば、
お口の中や歯茎の色にもすぐ気づくことができますから、
健康チェックのためにも
定期的に猫ちゃんを飼い主さん自身で歯磨きしてあげることをおすすめします。

【参考ブログ】忙しくても大丈夫!もっともっと愛犬・愛猫を歯みがきしよう!

寄生虫やウイルスへの感染を防ごう

貧血を引き起こす原因には、
マダニによって媒介される原虫やウイルス、
ノミによる大量吸血もあります。

ノミごときに血を吸われて貧血になるの?と思ってしまいますが、
ノミは小さいですが体重の15倍を吸血すると言われています。
最も多く吸血すると言われているメスのノミの場合、
約70匹寄生していると1日に1㏄の吸血量になります。
猫の血液量は体重の約1/12~1/13の量と言われていますので、
子猫ちゃんなど体の小さな子には負担が大きいのです。

またマダニの媒介する感染症の怖さは言うまでもありません。
詳しくは参考ブログもご覧ください。

【参考ブログ】マダニは厄介な感染症の媒介者。お散歩のときは対策を!

今は猫ちゃんのほとんどが室内飼いですので、
ノミやダニはうちには関係ないとお思いの方もいると思いますが、
室内飼いでも知らない間に寄生されてしまうことがあります。

猫ちゃんを散歩に連れて行く方は少ないかもしれませんが、
ワンちゃんと一緒に飼われている場合、
ワンちゃんがお散歩の際にダニやノミを拾ってきて、
同居の猫ちゃんに感染することもあります。
ペットホテルを利用した際に、他の猫ちゃんからノミがうつることもあります。

ネコノミは名前からして猫ちゃんにだけつくのかと思いますが、
犬にも人間にも寄生します!
人間が刺されると蚊以上に非常にかゆいそうです。

野良ネコちゃんはノミを持っていることがあり、
例えば床下で野良ちゃんが住み着いているとそこでノミが繁殖し、
家の中に入ってくることもあるそうですよ。
野良ちゃんを保護してあげたりする場合は
害虫対策にも気をつけましょうね。

猫ちゃんがノミやダニに刺されることを防ぐには以下の方法があります。

予防薬を投与する

お外に出かけたりする機会があったり、同居犬がいる場合は
猫ちゃんにも病院でノミ・ダニの予防薬を投与してもらいましょう。
滴下タイプ、おやつタイプなどありますので
先生に相談して選んでもらいましょう。

忌避剤を活用する

室内飼いの猫ちゃんで、外出する機会もない場合、
虫の忌避剤を上手に活用しましょう。
忌避剤にも色々な種類がありますが、
ヘルシーアニマルズでは天然成分である
北海道産アカエゾマツ精油を忌避成分に利用した
「スキンプロテクトスプレー」が人気です。
天然の抗菌・防臭効果のある
スキンケアスプレーですので、
毛並みがキレイになるのはもちろん、
アトピー性皮膚炎や膿皮症の子にも良いものです。

オイルタイプもあります。
優しくマッサージするように塗り込んであげてくださいね。

詳しくはこちらでご紹介しています!

【北海道発自然の恵み】ペットのお肌を優しく守るスキンプロテクトスプレー

栄養改善にサプリも有効

また貧血対策には、
血液を作るために必要な栄養素を十分に与えてあげることも大切です。

貧血対策といえばまず頭に浮かぶのが鉄分です。
鉄分はヘモグロビンに含まれているので血液づくりに必要な栄養素で、
鉄が不足することで「鉄欠乏性貧血」を発症することがあります。
また血液づくりにはビタミンB群や葉酸なども必要な材料です。

たっぷりの鉄分やビタミンB群、葉酸をお食事だけで補うのは
なかなか難しいため、サプリを上手に利用すると良いでしょう。

ヘルシーアニマルズで人気No.1の
貧血対策ペットサプリは
「エゾシカ肉レバーサプリ」です。

ジビエとして有名な北海道産のエゾシカ肉を
丁寧に処理して作ったふりかけサプリです。
エゾシカ肉は低カロリー高タンパクのヘルシーなお肉でありながら、
鉄分や亜鉛、ビタミンB12など栄養素を豊富に含んでいます。
皮ふの健康維持や毛並みの維持にも良いと好評です。

腸内環境を改善し免疫力アップを目指す植物発酵酵素サプリや、
抗酸化物質を豊富に含むたもぎ茸サプリも配合しています。

嗜好性も高いので、食べすぎには注意です(笑)
好き嫌いの多い猫ちゃんの場合はほんの少しからスタートしてあげると慣れやすいですよ。

猫ちゃんの貧血には、ここまで紹介してきたように、
深刻な病気が隠れていることがありますが、
栄養不足などが原因の貧血は、
飼い主さんの注意で予防できます。
猫ちゃんのQOLを維持するために、
ペットサプリを上手にお役立ていただければと思います。