ワンちゃん(特に垂れ耳タイプ)を飼っている飼い主さんなら
お分かりいただけるかと思うのですが、
「ワンちゃんのお耳が何となくくさい…」とか、
「最近お耳がかゆいようで足で一生懸命搔いている」とか、
「お風呂に入れたあとにお耳を拭いたらタオルが真っ黒に汚れた!」など
お耳にまつわる困った経験はないでしょうか。
私にも経験があります。
垂れ耳ワンちゃんのお耳からレーズンの腐ったような、
甘ったるい異常な匂いがしてきたので、
耳をめくってティッシュで拭いてみたところ真っ黒な汚れを発見!
そのまま病院に連れていくことになりました💦
室内で暮らしているのに、
気づかぬうちにそれほど汚れていたことが衝撃でした。
ヘルシーアニマルズのサイトを訪れてくださる方でも、
同様のお悩みをお持ちの方も多いようです。
そこで今日はワンちゃんのお耳が「くさい」「かゆい」「汚れている」
などのお悩みについて考えてみようと思います。

犬のお耳は高性能!

まず、原因を探る前に犬の耳について考えてみましょう。
ワンちゃんの耳はとても聴力に優れており、聴力は人間の4倍の距離の音が聞こえていると言われています。
垂れ耳だと聞こえにくいのでは?と思いますが、犬の耳の形と聴力は関係ないそうです。
聴こえる音の周波数の範囲も広く、人間は20~20000Hzの音が聞こえますが、犬は40~65000Hzまで聴こえるそうです。
周波数が高くなるということは、音が高くなるということなので、犬は私たちが聞こえない超高音まで聴こえているということです。
私たちが静かな環境だと思って生活していても、ワンちゃんには違う音が聞こえているかもしれません。
ワンちゃんが突然吠え始めたりするのも、人間には聞こえない音が聞こえているのかもしれませんね。
また、音を拾える範囲も人間よりずっと広くなっています。
なぜなら耳の向きを動かすことができるので、どこから音が発生しているかを正確に知ることができるのです。
車で走っているときに、交差点で救急車や消防車の音がどこからともなく聞こえてくるけど、どの方向から来ているのか遠すぎて分からないことがありますよね。そんなときもワンちゃんなら来る方向が正確に分かっているかもしれません。
耳の外側は耳介とよばれ、いわゆる耳の部分です。ワンちゃんの耳介は、18種類の筋肉に支えられているので、自由に耳を動かすことができます。人間でもたまに耳を動かす芸(?)ができる方もいますが、基本的には動かせませんよね。
また、ワンちゃんは耳の動きで感情を表現することもできます。耳をぺったり寝かせているときはリラックスしているときだったり、ピンと立てているときは何かに注意しているときだったり。
ワンちゃんは耳で感情を豊かに表現できるのです。
犬の耳の構造は外耳・中耳・内耳と分かれているのは人間と同じですが、外耳道の形は人間と異なります。
人間の場合、耳の外から鼓膜までほぼ水平に外耳道が通っています。
対してワンちゃんの場合、外耳道は途中で曲がり、ほぼL字になって鼓膜に通じています。
(垂直耳道・水平耳道に分かれています)
また外耳道には毛が生えているので、汚れやすく蒸れやすくなっています。
ダニは皮脂や落屑(垢など)を食べるのが大好きで、酸化した皮脂の匂いに惹かれて移動します。そしてワンちゃんの温かく湿った、耳垢のあるお耳に集まってくるのです。
また細菌も温かく湿った環境でよく増殖します。
その結果垂れ耳や、耳毛の多い犬種は外耳道に感染や皮膚トラブルを起こしやすいです。
これが、いわゆる「外耳炎」です。
外耳炎になった結果「くさくさ」「カイカイ」「汚れ」などの不快な症状が起きてしまいます。
外耳炎で良くみられる症状は以下です。
- 耳がくさい
- 耳をかゆがる
- 耳が赤くなっている
- 耳を気にして頭を振る
- べとべとした耳垢がたくさん出る
- 黒っぽく悪臭のする耳垢が出る
ワンちゃんにとってお耳は周囲の情報を拾え、感情表現までできる大切な器官です。
そんなお耳がかゆかったりくさかったりすると、ワンちゃんにとっても非常に大きなストレスだろうと想像できますね。
犬の耳がくさくなる原因

現代のワンちゃんはほとんどが室内飼い。
ほこりや花粉が舞う屋外で暮らしていたり、野生動物の菌が伝染するわけでもないのに、なぜワンちゃんのお耳が汚れ、外耳炎が発生してしまうのでしょう?
細菌による感染
多いのが細菌による感染です。例えばブドウ球菌。
ブドウ球菌は元々耳の中に存在している常在菌ですが、
何らかの原因で抵抗力が落ちていたり、耳の中の環境が悪いと異常に繁殖しすぎて外耳炎の原因となります。
細菌感染の場合、耳垢が黄色くベトベトになったり、ひどい場合は膿が出てきたり、膿の悪臭がしたりします。
真菌による感染
細菌と真菌は同じ菌の仲間だと思われがちですが、構造が違う生物です。
細菌は核を覆う膜を持たず、染色体DNAが細胞の中にむき出しになっている「原核生物」です。
真菌は核が膜に覆われており、核と細胞質が明確に区別されている「真核生物」です。
真菌にはカビ、酵母、キノコの仲間などがあります。
ワンちゃんのお耳に感染する真菌の代表格は「マラセチア」です。
マラセチアもどこかで感染するのではなく、日ごろからワンちゃんの外耳道に常在している真菌です。
何らかのきっかけで増殖しすぎると皮膚が脂っぽくなり、炎症を起こしたりします。
マラセチアが増えすぎると黒い耳垢が出て、甘ったるいような独特の悪臭がします。
マラセチアはアトピーや食事アレルギー、内分泌障害、角化異常、代謝異常などの基礎疾患がある時などに過剰な増殖が起こると言われています。
耳ダニの発生
耳ダニ(ミミヒゼンダニ)という大きさが0.5mm程度の小さなダニが外耳道に寄生して外耳炎を起こすことがあります。
画像はアップしませんが興味のある方は検索してみてください。
耳ダニは耳垢や分泌物を栄養にして卵から幼虫、成虫へと約3週間で成長します。
耳ダニは、感染している動物との接触や、耳ダニの成虫や卵が付着した物との接触によって感染します。
ペットホテルなどの利用時も要注意です!
感染すると黒っぽい色の乾燥した耳垢が出て、耳から異臭がしたり、激しいかゆみを引き起こします。
掻きすぎて外耳道に傷が付き二次感染を引き起こすこともあります。
重症化すると平衡障害や旋回運動、斜頸など内耳炎による前庭障害が起きることもあるそうです。
この耳ダニによる感染症を「耳ダニ症」や「耳疥癬(みみかいせん)」と呼びます。
やっかいなのが、耳ダニは感染力が非常に強いということです。
親から子、同居ペットとの間で簡単に感染します。もし1頭に発見された場合、全員同時に治療をしないと再発が繰り返されることになります。
耳ダニには予防薬も有効ですから、ダニ予防の際に病院で相談してみましょう。
その他の皮ふ疾患
その他外耳炎を引き起こす原因としては以下のような場合があります。
- アトピー性皮膚炎
- 虫などの異物進入
- 腫瘍
いずれもそのままにしておいてはいけません!病院に連れて行ってあげましょう。
犬の耳がくさいとき、どうすればいい?

ワンちゃんの耳がくさいとき、変な耳垢が出てきている場合、
やたらとかゆそうな様子を見せている場合、そのままにせずすぐに病院に連れてゆきましょう。
病院での治療は症状が軽ければ、耳に薬を直接たらす点耳薬が処方されます。
点耳薬だけでは不足の場合、抗生剤やかゆみ止めなどの内服薬を用いたり、耳の洗浄が行われることもあります。
耳ダニの場合主にスポットタイプの駆虫剤を使います。
他に原因がある場合(アトピー性皮膚炎など)は、もとの疾患の治療が必要です。
外耳炎は慢性化や再発をくり返しやすい病気で、治療が長期化することもあります。
耳クサ、カイカイ対策をしよう!

耳がくさく、変な耳垢が出てきたら病院に連れて行くのが一番早いです。
特に耳ダニはしっかりと駆虫してもらう必要があります!
そのような症状が出てくる前に日ごろから飼い主さんがワンちゃんのお耳のケアをしてあげることで
くさくさ、カイカイなどのお耳のトラブルを予防することは可能です。
特に垂れ耳のワンちゃんには耳掃除
耳垢は基本的に耳掃除をしなくても、外耳道から新陳代謝で外に押し出されるものですが、
垂れ耳の犬種(ビーグルやレトリバー、ダックス系など)の場合耳の中が蒸れて不潔になりやすいですから、耳掃除をしてあげましょう。
また外耳道に毛が多い品種の子(プードル、シーズー、テリア系など)、脂っぽい犬種(フレンチブルドッグなど)も同様です。
サロンでシャンプーやトリミングの際に耳掃除をお願いしても良いですが、自宅でやる場合でもあまりしょっちゅう行うのではなく、月に1~2度で十分です!
自宅でのケアに必要なものは化粧用コットンと耳クリーナー(ない場合はお湯でもOKです)。
コットンにクリーナーを含ませ、外耳道を優しく拭き取ります。
ここでの注意点は以下です。
🙅綿棒や耳かきは自宅では使わない(奥まで入りすぎて傷つける恐れがあります)
🙅アルコール系のティッシュやスプレーは使わない(強すぎて常在菌まで殺菌してしまう恐れがあります)
行き過ぎた耳掃除はかえってNG
室内飼育の子の場合は清潔感を保つためにある程度の耳掃除は必要ですが、
耳掃除のやりすぎは逆効果です。
耳掃除しすぎて耳垢を中へ中へ押し込んでしまったり、外耳道に傷をつけてしまって、そこから細菌や真菌に感染しやすくなってしまうからです。
人間でも耳かきしすぎて耳から出血したりすることがあるのと同様です💦
但し、お耳のチェックは週に1~2度やってあげましょう。
目視、匂いなど、垂れ耳の子はお耳をめくって異状がないか確認してあげてくださいね。
簡単で効果的なケア製品の活用
お耳のくさくさ、カイカイの予防にオススメの簡単ケア用品が
ヘルシーアニマルズのロングセラー商品「スキンプロテクトスプレー」です。
「スキンプロテクトスプレー」は
抗菌力・防臭力にすぐれた北海道産天然アカエゾマツ精油を配合し、愛犬や愛猫の皮膚の炎症やマラセチア菌、細菌対策に力を発揮します。
お耳のトラブル予防には、毎日ワンプッシュをシュッとスプレーし、もみこんであげるだけでOKです。
「スキンプロテクトスプレー」の開発には、酪農学園大学名誉教授・横田博先生のお力添えを頂いています。
横田先生は人間のアロマテラピーにも使われる精油の抗菌、抗癌効果について、長年科学的に研究されています。とても良い香りの「アカエゾマツ精油」はリラクゼーション、抗菌・除菌に効果があり、ペットにも安全に使用でき、良い効果が期待されることが、酪農学園大学での研究によって確認され、発表されています。
アカエゾマツ精油は、ペットの皮膚に対して炎症の予防や改善された症例や細菌やカビの感染、防虫によるウイルス感染の症例、リラックス効果も発表されておりヒーリングスプレーとしても使えますし、毎日のブラッシングの際、毛玉防止、静電気防止にもおすすめです。
「スキンプロテクトスプレー」はお耳の中だけではなく、全身の皮ふトラブルに使うことができるので、大変経済的です。
ご愛用者の方からは、お耳のトラブルのほか、アレルギー性皮膚炎やカイカイ、ジュクジュクの皮ふトラブルが改善した!という体験を多数いただいています。
「スキンプロテクトスプレー」には「プロパンジオール」という二価アルコールを使用していますが、これは植物由来の保湿剤や防腐剤補助剤、溶剤として化粧品や洗剤などに配合される二価アルコールです。
高い保湿力と優しい抗菌効果がありますので、一般的な消毒用アルコールスプレーに使用されているエタノールとは異なるものです。
同じアルコールだし大丈夫じゃない?と手洗い後に人間が使う強力な消毒用アルコールスプレーを使うと、ペットのお肌が荒れてしまうことがありますのでご注意くださいね。
【参考ブログ】ヒトにも嬉しい効能がいっぱい。もっと知りたい!北海道の木・アカエゾマツの力
暖かくなる前に、簡単・効果的に、ワンちゃんのお耳のくさくさ・カイカイ予防を始めませんか?
