新しい年になりました。
旧年中はヘルシーアニマルズに格別のご高配を賜り誠にありがとうございました。
2025年も更なる飛躍を目指しスタッフ一同力を合わせて進んでまいります。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、年末年始いかがお過ごしでしたでしょうか。
お正月にテレビを見ていたところ、能登地震の特集番組が映りました。
昨年(2024年)の元旦に起きた能登地震。
人にも街にも大きな損害を与え、現在も地区によってはまだまだ復興には程遠い状態だそうです。
海に囲まれ、地震も多い日本列島。
どこでこのような災害に見舞われてもおかしくありませんよね。
その際には人間はもちろん、ともに暮らすペット、家畜たちも災害の被害を受けます。
ペットは私たち愛好家にとっては愛する家族以外の何者でもありませんが、
社会的な定義としては「愛玩動物」になってしまいますので、
万が一の場合の対策は人間の二の次になっているのが現状です。
そこで今回は、災害の場合に飼い主さんが自ら
愛するペットを守るための対策について考えてゆきましょう。

情報を集めておこう!

2011年に発生した東日本大震災では、まだペットを一緒に避難できる避難所も少なく、
情報も少なかったため、ペットを家において避難せざるを得ない方も多かったため、
ペットが飼い主さんと離れ離れになり、迷子や行方不明になってしまったケースが多くありました。
また、「ペットがいるから避難できない」という理由で家に残り、二次災害の被害に遭った方もいました。
その悲しい教訓を生かし、環境省は「災害時にペットを守れるのは飼い主さんだけ」という前提で、安全に在宅避難できない場合は、ペットと飼い主さんが一緒に避難する「同行避難」を推奨しています。
(同行避難というのは、ペットも飼い主さんも必ずしも同じ避難所のスペースで一緒に過ごせるという意味ではなく、避難所までは必ず一緒に行動するという意味です)
また、一般の飼い主さん向けに「災害対策ガイドライン」を策定、飼い主さん向けのパンフレットも作成し、広く公開しています。
【参考リンク】「災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」
【参考リンク】「備えよう!いつもいっしょにいたいから」(環境省の飼い主さん向けパンフレット)
災害対策ガイドラインには、過去の災害における事例や、避難についてのフローチャート、
日頃の備え、備蓄すべき物品などの詳細情報が掲載されています。
とても分かりやすい内容ですので、平時にぜひお読みいただくことをおすすめします。
<同行避難のフローチャート>環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」より

また、地方自治体でもペットの災害対策について情報提供を行っているところがあります。
「(お住まいの)自治体名+ペット 災害対策」などのキーワードで検索してみてください。
例えばヘルシーアニマルズの所在地、北海道札幌市では、「犬と猫の防災手帳」を作成し、各札幌市内各区役所、保健センターなどで配布しています。
内容は日ごろの備えや被災した時の行動指針、災害時のペット支援体制など盛りだくさんです。
札幌市以外の方も参考になりますよ。
【参考リンク】札幌市 犬と猫の防災手帳(クリックするとダウンロードできます)
また札幌市には、「札幌市災害時動物救護ボランティア制度」があります。
これは札幌市域における大規模災害の発生に備え、ボランティアの方を事前に登録し、円滑な動物救護活動を実施することを目的としたものです。
登録者の方には、大規模災害発生時に、被災した動物の世話や物資の運搬等のお手伝いをしていただくという制度です。(自身が被災していない場合に限り活動)
制度の名称が異なっていても、他の自治体でも同様の制度を設けているところもあります。
【参考リンク】埼玉県Webサイト(災害時動物救護活動ボランティア登録制度)
【参考リンク】埼玉県熊谷市のWebサイト(ペットの防災対策)
いざというときに見ようとしても、インターネットが通じるかも分かりません。
何もないときに、安全確保のための正しい情報を集めておきましょう。

飼い主さんができる準備は?

災害に備えて、日ごろから準備しておくべきことについては、
先ほど紹介した環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」によりますと、
大きく以下の7つに分けることができます。
それぞれのジャンルについて対策の例を見てみましょう。
- 住まいや飼養場所の防災対策
- ペットのしつけと健康管理
- ペットが行方不明にならないための対策
- ペット用の避難用品や備蓄品の確保
- 情報収集と避難訓練
- 家族や地域住民との連携
- ペットの一時預け先の確保
①住まいや飼養場所の防災対策
- 飼い主さん自身の安全を確保する(家具を固定するなど)
- ペットが普段いる場所の安全を確保する
- 飼育場所の周囲に危険がないか確認する
- 首輪や鎖などが切れて脱走しないか確認する
②ペットのしつけと健康管理
- 普段からキャリーバッグに入れるようにしつけを行っておく
- 犬の場合「待て」「おいで」等のコマンドに慣れさせておく
- むやみに人や動物に吠えないしつけを行っておく
- 決められた場所で排せつするしつけを行っておく
- 健康診断や予防接種を受けさせておく
- 寄生虫の予防や駆除を行っておく
- できるだけ不妊・去勢手術を受けさせておく
③ペットが行方不明にならないための対策
- 首輪や迷子札を装着しておく
- 飼い主の身元を登録したマイクロチップを装着しておく
(犬の場合、狂犬病予防法に基づき、鑑札、狂犬病予防注射済票を飼い犬に装着する義務があります)
④ペット用の避難用品や備蓄品の確保
- リードやキャリーバッグなどの用品を準備しておく
- ペットの避難に必要な物資の備蓄を行い、避難時は持ち出せるようにしておく
- ペットの食事は少なくとも5日分、できるだけ7日分をセットに入れておく

⑤情報収集と避難訓練
- 住んでいる地域の防災計画や自治体の広報誌、ウェブサイト等で災害時の避難所の所在地や避難ルートを確認しておく。
- 避難所にペットを連れて行く際の注意事項も、あらかじめ管轄の自治体に確認しておく
- 実際に家族でペットを連れて避難訓練を行っておく
⑥家族や地域住民との連携
- 普段から近隣住民と良好な関係を築けるよう、コミュニケーションや飼育マナーに気を配る
- 万が一の時にお互いに助け合えるよう、飼い主同士や近隣住民と防災について話し合っておく
⑦ペットの一時預け先の確保
- 避難所への避難以外にも、親戚や友人など、ペットの一時預け先も探しておく
マイクロチップ、装着していますか?

ちなみに犬や猫に対するマイクロチップの装着は、ペットショップやブリーダーから販売される場合、2022年6月の改正動物愛護法によって義務となりました。
しかし、それ以前に販売された子や、それ以外のルートでおうちに迎え入れられる場合は義務ではありませんので、まだまだ装着している子は少数派のようです。
ペット保険のアイペット損害保険さんの2023年の調査によると、全体の装着率は30.7%。犬は39.1%、猫は20.3%。年々増えていますが、猫ちゃんの場合8割近くが装着していないようです。
【参考リンク】アイペット損害保険さんのWebサイト(マイクロチップ装着に関するアンケート調査
2023)
皆さんの大切なワンちゃん、ネコちゃんは身元を登録したマイクロチップを装着していますか?
まだの方は動物病院で簡単に装着してもらえます。ぜひ検討してください。
首輪や迷子札よりも脱落の可能性が低く安全なペットの身元証明です。
マイクロチップ は直径2mm、長さ12mm 程度の円筒型で、ペットの首の皮膚の下に専用注射器で挿入します。
費用は数千円~1万円程度で入れられることが多いです。
マイクロチップを装着したあと、手数料(1000円程度)を払って飼い主さんの情報を登録(所有者登録)する必要があります。
15 桁の数字(個体識別番号)が記録されており、マイクロリップにマイクロチップリーダー(読取器)をあてると、その数字が表示されます。
個体識別番号に関連づけられた飼い主情報を確認することで、飼い主を特定される仕組みです。
データからは特に猫ちゃんの装着率が低いようですが、猫ちゃんのほうがマイクロチップの必要性が高いと私は思います。
災害に限らず、猫ちゃんはちょっとしたことで脱走する子も多いからです。
特に夏には網戸を破ったり窓の隙間から脱走したという話をよく聞きます。
そのような場合でもマイクロチップを装着しておけば、保護された際にも身元が確認できます。
もし保健所や動物保護センターに保護された際でも、飼い主さんに連絡が入ります。
マイクロチップは飼い主さんとペットをつなぐ命綱ともいえるでしょう。まだの方は平時にぜひ装着してあげてくださいね。
その時、輸入品は入手困難です!

また日ごろペットフードを販売している立場から、お伝えしたいことがあります。
それは「有事(災害時)に輸入品のフードは特に入手困難になります」ということです。
海外ではオーガニックや高品質のペットフードが作られており、普段から愛用されている方も多いと思いますが、
災害時にはライフラインが途絶したり、交通手段が途絶するため、国産品も同様ですが、特に輸入品はしばらく安定的な供給が難しくなり欠品の可能性があります。
災害時には人間の食料品、生活物資が優先で供給されるため、ペット用品は後回しになるのが現実です。
当店でも2018年の胆振東部地震の際に一部のペットフードが大変品薄になったことがあります。
そんな時にまとめて買い占めてしまうと、他の飼い主さんが買えなくなってしまいます。
他のフードもそうですが、とりわけ輸入品のペットフードを愛用されている方は、
平時にしっかりと備蓄を行っておきましょう。
おすすめは「3か月分」です。
「犬と猫の防災手帳」を見ても通常のフード備蓄は「5日分」となっていますが、
災害の規模によっては輸入フードの供給がその期間で再開できないこともあります。
特に療法食など、それでなければ困るものを食べている子のためには、
数か月の備蓄を持っておくことがおすすめです。
何も起きなければローリングストックの考え方で、古いものから食べて、また新しく買っていけばよいのです。
販売するほうとしても、ご用意したくてもできないのは断腸の思いですので、ぜひ皆様にご準備をお願いしたいです。
おやつやサプリが安心を与えます
最後に、災害というのは人間にもペットにも大きなストレスを与えるものです。
命や健康が助かったとしても、避難生活が続けば精神的に大きな苦痛が伴うでしょう。
そんな事態に備えて、ペットの避難物資にはぜひ「おやつ」も入れておいてあげてくださいね。
心の余裕がないときに、おやつ?とお思いになるかもしれませんが、
毎日楽しみにしていたおやつが食べられるだけで、ワンちゃんネコちゃんにとっては安心できるものなのです。
有名な「犬の十戒」にもこうあります。
「あなたには仕事や友達、楽しいことがあるけれど、わたしにはあなたしかいません。」
いざというとき、飼い主さんにはほかに様々な心配ごとや守らなければいけないものがあるかもしれませんし、不安や心配事を話せる家族や友人がいるかもしれません。
しかし、ワンちゃんやネコちゃんには飼い主さんしかいないのです。
また、愛用のペットサプリも避難用品に加えてあげてください。
万が一避難しなければならない事態が発生し、車やペット同伴できる避難所で生活ができるようになっても、人間にもペットにもストレスがかかります。
持病のある子はお薬が必要ですが、健康な子でもストレスによって免疫が低下しやすくなります。
避難グッズにぜひ入れてほしいサプリNo.1は、腸内環境を整え、免疫アップに貢献する「植物発酵酵素サプリ」です。
スペースに余裕がある場合は、即効性のある液体タイプを準備しておくと安心ですが、
避難用の備蓄にはかさばらない粉末タイプも便利です。
フリーズドライのフードやおやつも備蓄に人気です。
かさばらず軽いのに、お湯を加えるだけで本格的なお味が楽しめますし、
お魚のフリーズドライはそのままでも美味しいのです。
保存期限も12か月ですので、備蓄にも向いていますね。
災害対策とは新年から重たい話題かもしれませんが「備えあれば憂いなし」と申します。
今年は今のところ国内で大きな災害のニュースがないのが幸いですが、今のうちに準備をしておくことで、
いざという時に焦ることも少なくなります。
災害発生時に悲しい目に遭うワンちゃんネコちゃんが生まれませんように!
みんなで備えてしっかりと備えておきましょうね。
