ヘルシーアニマルズにいただくご相談の中に、
抗がん剤治療を受けている子についてのご相談が増えています。
残念ながら現在のペットにはがん(腫瘍)になる子が増えています。
私もネコちゃんのガン治療を経験しているので、
治療中の飼い主さんのお気持ちやお悩みがとてもよく分かります。
有名芸能人の方が抗がん剤治療について体験を公開しておられたり、
今は抗がん剤という言葉がとても身近になってきましたよね。
どうしても副作用など、ネガティブなイメージがつきまといますが、
ペットの抗がん剤治療は、どのようなものなのでしょうか?
どのような副作用があるのでしょうか?
今日はその点についてざっと学んでゆきましょう。
ペットのがんとその治療
ワンちゃんやネコちゃんなど、ペットでもがんになる子が増えています。
ワンちゃん、ネコちゃんに多い代表的ながんをざっと見てゆきましょう。
ワンちゃんの場合
- リンパ腫…リンパ球が腫瘍化してできるがん
- 肥満細胞腫…肥満とは関係ない。免疫細胞の一種である肥満細胞が腫瘍化してできるがん
- 乳腺腫瘍…乳腺が腫瘍化してできるがん
- 悪性黒色腫…メラニン色素を作るメラノサイトという細胞が腫瘍化するがん
ネコちゃんの場合
- リンパ腫…リンパ球が腫瘍化してできるがん
- 白血病…猫白血病ウイルス(FeLV)に感染することで起きる血液のがん
- 扁平上皮がん…皮膚や粘膜を構成する扁平上皮細胞が腫瘍化するがん
- 乳腺腫瘍…乳腺が腫瘍化してできるがん
がんの治療法には、
人間の場合同様、以下のような種類があります。
治療法はがんの進行具合や部位、がんの性質などによって選択されます。
①外科療法
手術によりがんを物理的に取り去る療法です。
がんのできた場所によっては使えないこともあります。
②放射線療法
X線の照射により、正常な細胞を保護しながらがん細胞を死滅させます。
外科療法ができない場所にがんが存在する場合よく使われます。
③化学療法
主に血管から抗がん剤を投与することで、全身のがん細胞を死滅させます。
これがいわゆる「抗がん剤治療」と呼ばれています。
がんの治療法は単独で行われることよりも、
①~③を組み合わせて治療計画が立てられることが多いです。
ペットの抗がん剤治療の特徴
☆治療は通院が前提
人間の場合抗がん剤治療は
入院が必要な治療であることも多いですが、
ペットの抗がん剤治療は、基本的に通院で行われることが多いです。
おうちで大好きな飼い主さんと生活しながらの治療になりますので、
病院ではQOL(生活の質)を大切に考えて
治療計画を立ててくださることが多いです。
☆治療の歴史が浅い
また、ペットの抗がん剤治療は、
人間の場合よりまだまだ歴史が浅く、
「このような症例に何パーセントの確率で作用し、
余命が~か月延長する可能性が高い」など、
具体的な有効性が立証されているケースが多くないため
どのような場合でも抗がん剤治療を行うのではなく、
抗がん剤を用いた治療の提案は、一般的には慎重に行われます。
使ったほうが予後が良いのか悪いのか、判断が難しいケースも多いため、
飼い主さんが最終判断をゆだねられる場合迷うこともあるでしょう。
どのような場合に使うの?
抗がん剤治療が多く使われるのは、
外科療法ではがんが取り切れない場合(白血球やリンパ腫など)や、
すでに他の臓器に転移が始まっている場合、
またがんの悪性度が高くすぐに他に転移すると分かっている場合などです。
どのような種類があるの?
抗がん剤はその性質や成分、作用順序によって
以下のような分類がされています。
- アルキル化剤…細胞増殖に必要なDNAに作用しDNA複製阻害作用やDNAの破壊作用により抗腫瘍効果をあらわす
- 代謝拮抗剤…生物の代謝において代謝物質の利用を阻害する物質
- ビンカアルカロイド…細胞分裂に重要な役割を果たす微小管に作用し、分裂を途中で停止させ抗腫瘍効果をあらわす
- 抗腫瘍抗生物質…細胞の増殖に必要なDNAやRNAの合成を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす
- 白金化合物…DNAなどの生体成分と結合して抗がん効果を発揮する抗がん剤
- ホルモン剤…ホルモン受容体陽性乳がんに有効な薬物療法
- 分子標的薬…がん細胞の増殖・転移・浸潤に関わる分子だけを標的とし、がん細胞の異常な分裂や増殖といった特定の活動を抑える
- その他…わさびや甘草、たもぎ茸などが抗腫瘍効果をもつ「自然の抗がん剤」として研究されている
抗がん剤と一言で言っても、成分や腫瘍に働きかけるアプローチはそれぞれ違っていますね。
薬によって適応するがんは違いますし、副作用の出方や強さも異なりますが、
抗がん剤の多くは「分裂している細胞に働きかける」ことで効果があるということです。
なぜならがん細胞とは、異常分裂している細胞だからです。
その結果、抗がん剤を使用することで、がん細胞以外にも、
常に分裂している細胞にダメージが与えられます。
例えば骨髄や消化器粘膜、毛根などです。
これは副作用を引き起こします。詳しくは後述しますね。
どのような副作用があるの?
人間の抗がん剤治療といえば、まず気になるのが副作用というぐらい、
副作用は欠かせないお話ですが、
先述の通りペットの抗がん剤治療はQOL重視で行われますので、
人間の場合よりも副作用は強くないと言われています。
それでも以下のような副作用が起きる場合があります。
- 消化器毒性…食欲低下、吐き気・嘔吐
- 骨髄抑制…白血球・血小板の減少
人間の場合しばしば起きる「脱毛」の副作用は
比較的少ないようです。
副作用が発生する確率は抗がん剤の種類や投与量によって変わります。
「消化器毒性」も「骨髄抑制」もすべての場合に起きるわけではなく、
出ないことのほうが多いといわれています。
副作用が出る場合、
「消化器毒性」は投与後当日から2~3日後に起きることが多いようです。
また「骨髄抑制」は投与後4~5日目くらいからです。
血液中の免疫細胞が減少しはじめ、免疫が下がってゆきますので、
細菌やウイルスに感染しやすくなります。
もし体内に細菌が入り込むと血液が細菌に侵され「敗血症」になります。
その場合非常に危険が大きいので治療が必要になります。
副作用が発生、その時どうする?
ペットの抗がん剤治療は
人間よりも副作用が少ないことが多いことが分かりました。
しかし、実際に副作用が発生した場合、
愛するペットの食欲がない様子や、
元気がなくなっているのを見ると、
「続けた方が良いのだろうか…」と飼い主さんは不安になるでしょう。
もし、ペットに副作用が発生した感じた場合、
飼い主さんは医師と相談して
抗がん剤の種類や量を調整することが必要になります。
1つの抗がん剤が合わなくても他の抗がん剤が適応することもありますし、
投与量を減らすという選択肢もあります。
ひどい副作用が発生した場合、
病気よりもそちらが恐ろしく感じて
拒絶したくなる飼い主さんの気持ちも良く分かりますが、
まずは先生に相談してみましょう。
場合によっては別の動物病院で、
セカンドオピニオンを頂くのも良いでしょう。
私個人としては、ペットががんになった場合、
抗がん剤の副作用を知った上で、まずは試してみます。
そこから様子を見て、量を減らしたり種類を変更したり、
どうしても厳しい場合はやめるという方法が
賢明だと考えています。
大事なのは、ワンちゃん、ネコちゃんの命と安楽な生活、
私たちと少しでも長く一緒に過ごしてもらうことですから、
化学療法を否定することは避けたいものです。
動物医療も年々進化しており、
そのために多くの研究者さんや獣医さんが尽力されているのです。
私たちが開発販売しているペット向けサプリメントは、
決して化学療法を否定する代替療法ではありません。
化学療法を受けながら利用されている場合も多いです。
また化学療法が使うことができない場合や、
化学療法でQOLが著しく低下した場合などには、
化学療法に代わる援軍となる存在だと考えております。
私の経験したペットのがん治療
私がペットのがん治療を経験したのは、
今まで数回ありますが、
そのうち抗がん剤治療を提案されたのは1回です。
最初は2015年5月、当時8歳のアメリカンショートヘアの女の子と一緒に暮らしていたときでした。
空咳をするので猫風邪かと思って病院に連れて行ったところ、
ネコには少ない「肺がん」と診断されてしまったのです。
しかもアメーバ状に広がっていて手術のできないタイプで、
「余命3か月」と診断されてしまったのです。
そうなると受けることができるのは化学療法のみです。
もちろん私も抗がん剤治療を選択しました。
しかし…1回投与を受けただけで食欲も元気もすっかりなくなってしまったのです。
その前に抗がん剤治療の副作用が起こる可能性や、
投与初回~2~3回目に消化器毒性が出る可能性についても勉強していましたが、
副作用がひどい状態で、飼い主としては見ていられないほどでした。
それならば自宅でできるだけのことをして一緒にいたい、
この子の自然治癒力に賭けてみたいと考えて、
当時販売開始したばかりのたもぎ茸サプリなどを利用しながら、
定期的に検診に通っていました。
その結果、なぜか経過が順調に進んでゆき、
最終的には3か月と言われた余命でしたが、
2年2か月も生きてくれたのでした。
【参考ブログ】ヘルシーアニマルズの想い(7)肺がんになった愛猫
また最近では、
ここ10年ほど飼っていたお外出身のクロ君も、
男の子には珍しい「乳腺腫瘍」になってしまいました。
お外出身なので年齢不詳なのですが、
当時推定18~19歳とかなりの高齢でしたので
手術は難しいかも…
もしうまくいっても1週間、1か月でもしもの場合もあり得ると言われていましたが、
彼は手術に耐え抜いてくれたのです。
手術後、転移は見られなかったので化学療法を行うことなく、
自宅でたもぎ茸サプリなどのペットサプリを併用して療養を続けました。
その後、がんが悪化することはなく、
人間でも100歳といわれるご長寿猫ながら、
10か月も穏やかに生き抜いてくれました。
抗腫瘍といえば「たもぎ茸」
肺がんになった子、クロ君の場合ともに、
私がふんだんに与えていたのが、
「たもぎ茸サプリ」です。
たもぎ茸は認知機能の改善効果が着目されていますし、
天然の抗がん剤としての利用も研究され、
医学的にもその有効性が検証されているきのこです。
抗酸化物質「エルゴチオネイン」や
抗腫瘍効果のある物質「ベータグルカン」を豊富に含んでいます。
詳しくはこちらのブログもご覧ください!↓
【参考ブログ】幸せの黄色いきのこ「たもぎ茸」を犬と猫の健康に!
ヘルシーアニマルズのたもぎ茸サプリは、
日本一のたもぎ茸産地・北海道産のたもぎ茸の
成分を壊さないように熱水抽出したものを使っています。
液体タイプはたもぎ茸の成分がたっぷり入ったスープですので、
体に優しく、吸収しやすい形になっています。
抗がん剤治療を受けている子でも、
抗がん剤の効果を阻害することはありませんので、
安心して摂取いただけます。
たもぎ茸の薬効は各所で研究されていますが、
サプリはお薬ではありませんので、
「がんが消えた!」など効果効能を書くことはできませんが、
私自身の体験から、ペットのがん治療には大変心強い味方だと感じていますし、
お客様から喜びの声を多くいただいている製品です。
また、がん治療で食欲がなくなった子の栄養補助にとても良いのが、
「野菜酵素サプリ」(液体タイプ)です。
酵素によって52種類の野菜・果物などを分解し、
生成されたドリンクですので、
タンパク質や炭水化物などの栄養が、
予め分解されて吸収されやすい形になっています。
食欲がなく、消化機能が弱っている子でも、
少量で体力維持に必要な栄養を効率よく摂ることができますので、
ペットが病気のとき、非常に重宝するアイテムです。
抗がん剤治療は、ペットにとっても飼い主さんにとっても楽ではない治療です。
ペットサプリなどのサポートを活用して、弱った免疫力を地道に向上し、
元気で幸せな時間を取り戻してゆきましょう。