
愛犬や愛猫の体にしこりを見つけたり、動物病院で「腫瘍の可能性があります」と言われたりすると、飼い主さんは「もしかして、がんなの?」と大きな不安を感じると思います。
しかし、腫瘍のすべてが悪性というわけではありません。また、外から見えるしこりだけではなく、体の中にできる腫瘍もあります。
以前、私の愛猫の肺がん闘病記をブログに書いたところ「猫 肺がん」という検索で記事を見つけて下さる方が増えています。
猫の肺がんは、咳などの分かりやすい症状が目立たないこともあり、食欲の低下や体重減少、呼吸の変化などが発見のきっかけになる場合があります。
大切なのは、必要以上に怖がることではなく、腫瘍について正しく知り、いつもと違う変化に早く気づくことです。
もし腫瘍が見つかっても、そこで終わりではありません。詳しい検査を受け、その子に合った治療や生活の支え方を考えていくことができます。
今回は、犬・猫に多い腫瘍の種類や見逃したくないサイン、猫の肺がん、検査・治療について分かりやすく解説します。
さらに後半では、β-グルカンなどの成分を含み、犬・猫の毎日の健康維持に取り入れられている「北海道産たもぎ茸サプリ」についても、いつもより詳しくご紹介します。

腫瘍とがんは同じもの?

「腫瘍」と聞くと、すぐに「がん」を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、腫瘍のすべてが、がんというわけではありません。
腫瘍とは、体の細胞が何らかの理由で増え続け、かたまりや病変をつくった状態のことです。大きく分けると「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」があります。
良性腫瘍は、一般的に増殖がゆっくりで、周囲の組織に入り込んだり、ほかの臓器へ転移したりする可能性が低い腫瘍です。ただし、良性であっても、大きくなって臓器を圧迫したり、歩行や食事の邪魔になったりする場合には治療が必要です。
一方、悪性腫瘍は周囲の組織に入り込みながら増殖し、血液やリンパの流れに乗って、離れた臓器へ広がることがあります。一般的に、この悪性腫瘍が「がん」と呼ばれています。
また、体に触れて見つかるしこりが、すべて腫瘍とは限りません。
炎症や膿がたまったもの、嚢胞などの場合もあります。
反対に、リンパ腫や白血病、内臓にできた腫瘍のように、外から触っても分からない病気もあります。
良性か悪性かを、しこりの硬さや見た目だけで判断することはできません。
新しいしこりを見つけた、以前からあったしこりが大きくなった、形や色が変わった、出血しているといった変化があれば、早めに動物病院で診てもらいましょう。
見つけた日や大きさを記録し、写真を撮っておくと、変化を獣医師に伝える際にも役立ちます。
犬・猫にはどんな腫瘍が多い?

腫瘍は、皮ふや口の中、血液、骨、内臓など、体のほぼすべての場所にできる可能性があります。
犬で比較的よく見られるものには、次のような腫瘍があります。
- リンパ腫
- 肥満細胞腫
- 乳腺腫瘍
- 軟部組織肉腫
- 骨肉腫
- 血管肉腫
猫では、リンパ腫、乳腺腫瘍、口腔内の扁平上皮がん、肥満細胞腫、注射部位肉腫などが知られています。
犬と猫では発生しやすい腫瘍が異なり、同じ種類でも、できた場所や悪性度によって進行の仕方は変わります。
2026年のAAHA(米国動物病院協会)のガイドラインでは、10歳を超えた犬の約50%、猫の約30%が、何らかのがんを経験するとされています。シニア期の犬・猫にとって、がんは決して珍しい病気ではありません。
だからこそ「もう高齢だから仕方がない」と考えず、小さな変化を早めに診てもらうことが大切です。
見逃したくない「いつもと違う」サイン
体の表面にできたしこりは比較的見つけやすいものですが、内臓や血液の腫瘍は外から見えません。
次のような変化が、腫瘍を見つけるきっかけになることがあります。
- しこりができた、または大きくなった
- 傷や皮ふのただれがなかなか治らない
- 食欲や体重が落ちた
- 嘔吐や下痢を繰り返す
- 鼻や口、排泄物に血が混じる
- 口臭が強くなった、食べにくそうにする
- 呼吸が速い、咳が出る
- 足を引きずる、動きたがらない
- お腹が膨らんできた
- 元気がない状態が続く
これらの症状があるからといって、必ず腫瘍とは限りません。しかし「年齢のせいかな」と様子を見続けているうちに、病気が進行することもあります。
いつも一緒に暮らしている飼い主さんだからこそ気づける小さな違和感を、大切にしてくださいね。
猫の肺がんとは?原発性と転移性の違い

このサイトでよく調べられる「猫の肺がん」について少し掘り下げますね。
猫の肺にできる悪性腫瘍には、大きく分けて「原発性肺腫瘍」と「転移性肺腫瘍」があります。
原発性肺腫瘍は、肺の細胞から発生した腫瘍です。猫では比較的まれですが、原発性肺腫瘍の多くは悪性とされ、シニア猫で見つかる傾向があります。
一方、転移性肺腫瘍は、乳腺や口腔内、骨など、肺以外の場所にできた悪性腫瘍が肺へ広がったものです。猫では、原発性肺腫瘍よりも転移性肺腫瘍のほうが多いとされています。
レントゲン検査は肺の状態を調べる第一歩になりますが、小さな病変は写らないことがあります。そのため、腫瘍の種類や状態によってはCT検査や組織検査などが必要です。
猫の肺がんで見られる症状
猫の肺がんというと、激しい咳を想像するかもしれません。
しかし猫では、咳が目立たないこともあります。
うちの子の場合も、発見のきっかけは風邪のような「ケホケホ」という空咳でした。
比較的よく見られるのは、次のような変化です。
- 食欲が落ちる
- 体重が減る
- 呼吸が速くなる
- 呼吸が浅い、苦しそうに見える
- 元気がなくなる
- ゼーゼーと音がする
- 嘔吐する
- 足を引きずる
猫の肺がんには、肺の腫瘍が足先へ転移する「肺指症候群」が見られることがあります。
指や爪の周辺が腫れる、爪が抜ける、出血する、足を痛がるといった症状が、肺がん発見のきっかけになることもあります。
呼吸が苦しそう、口を開けて呼吸している、お腹を大きく動かして呼吸している、舌の色が青紫色に見えるといった場合は緊急性があります。自宅で様子を見ず、すぐに動物病院へ連絡してください。
腫瘍はどうやって診断するの?

しこりや画像上の影が見つかっても、それだけで腫瘍の種類や良性・悪性を確定することはできません。
代表的な検査には、次のようなものがあります。
💉細胞診
細い針を刺して細胞を採取し、顕微鏡で調べます。体への負担が比較的少なく、麻酔を使わずに行えることもあります。
💉組織検査
腫瘍の一部または全体を採取して詳しく調べます。腫瘍の種類だけでなく、悪性度や周囲への広がり方、手術で取り切れているかなどを判断するために重要です。
📷画像検査
レントゲン、超音波、CT、MRIなどを使って、腫瘍の場所や大きさ、ほかの臓器への転移を調べます。
腫瘍細胞の性質や悪性度を表すものが「グレード」、腫瘍の大きさやリンパ節・ほかの臓器への広がりを表すものが「ステージ」です。
同じ名前の腫瘍でも、グレードやステージによって治療方法や見通しが変わります。まずは腫瘍の正体をできるだけ正確に知ることが、その子に合った治療を選ぶ第一歩です。
手術・抗がん剤・放射線治療という選択肢
犬・猫の腫瘍治療には、主に手術、抗がん剤治療、放射線治療、免疫療法があります。腫瘍の種類や場所、進行度によっては、複数の治療を組み合わせます。
手術は、腫瘍を物理的に取り除く治療です。転移する前に十分な範囲を切除できれば、良好な経過が期待できる場合があります。
抗がん剤は、リンパ腫のように全身へ広がる可能性のある腫瘍や、手術だけでは対応しにくい腫瘍などに使われます。
放射線治療は、手術で取り切ることが難しい場所の腫瘍や、痛みを軽減する目的などで行われます。
人の抗がん剤治療と同じく副作用が起こる可能性はありますが、犬・猫のがん治療では、できるだけ普段の生活を保つことが重視されます。
治すことだけではなく、痛みや吐き気を抑える、食欲を支える、穏やかに過ごせる時間を増やすことも大切な治療です。
腫瘍の早期発見のためにできること

すべての腫瘍を予防することはできません。しかし、早めに異変へ気づくために、家庭でできることはあります。
うちの以前一緒に暮らしていた黒猫の「クロちゃん」も、体に小さなしこりができたので検査したところ、オス猫には非常に珍しい乳腺腫瘍でした。
術後も順調!超高齢オス猫の珍しい乳腺腫瘍
【ブログ】長寿猫のクロ(推定20歳)、虹の橋を渡りました
飼い主さんがよく体を触ってあげることが早期発見につながります。
ブラッシングやスキンシップの際には、頭からしっぽ、足先までやさしく触ってみましょう。口の中、耳の周辺、わきの下、お腹、乳腺、足の付け根なども確認します。
しこりを見つけたら、次のことを記録しておくと便利です。
- 見つけた日
- できている場所
- 大きさ
- 色や硬さ
- 痛みや出血の有無
定規と一緒に写真を撮っておくと、大きさの変化が分かりやすくなります。
体重、食欲、排泄、歩き方、安静時の呼吸なども日頃から見ておきましょう。シニア期に入ったら、健康診断を受ける間隔について、かかりつけの獣医師に相談することも大切です。
たもぎ茸が健康維持に注目される理由

たもぎ茸は、鮮やかな黄色が特徴の食用きのこです。「幻のきのこ」「幸せの黄色いきのこ」と呼ばれることもあります。
【ブログ】最近話題のたもぎ茸!ペットの認知症や腫瘍になぜいいの?
たもぎ茸には、β-グルカンやエルゴチオネインなどが含まれています。
β-グルカンは、きのこや酵母などに含まれる多糖類の一種で、免疫の働きとの関係が研究されている成分です。エルゴチオネインは、酸化ストレスから体を守る働きが注目されている成分です。
人を対象とした、たもぎ茸エキスの研究では、摂取後に免疫に関係する一部の数値に変化が見られました。ただし、この結果をそのまま犬・猫へ当てはめることはできません。また、たもぎ茸サプリに犬・猫の腫瘍を小さくしたり、がんを治したりする効果が確立されているわけではありません。
大切なのは、治療薬としてではなく、食事や休息、痛みの管理などとともに、毎日の健康維持を支える食品の一つとして取り入れることです。
ヘルシーアニマルズの北海道産たもぎ茸サプリ

ヘルシーアニマルズの「北海道産たもぎ茸濃縮エキス」は、北海道産のたもぎ茸を使用した、無添加・無着色の犬・猫用健康補助食品です。
粉末タイプと液体タイプがあり、体調や食事の好みに合わせて選べます。
粉末タイプ
粉末タイプには25gと100gがあります。
いつものフードへふりかけるほか、少量の白湯で溶いたり、ウェットフードに混ぜたりして与えられます。毎日の健康習慣として取り入れやすいタイプです。
1日量の目安は、次のとおりです。
- 小型犬:約3~5g
- 中型犬:約5g
- 大型犬:約10g
これはあくまで目安です。体格だけでなく、年齢や体調、食事量などに合わせて調整しましょう。
特に猫は、フードの香りや味が少し変わっただけでも警戒することがあります。最初から目安量をすべて入れず、ごく少量をウェットフードなどへ混ぜ、少しずつ慣らしていくのがおすすめです。
粉末が舞って食べにくそうな場合は、少量の白湯で溶いてからフードへ混ぜる方法もあります。
液体タイプ
液体タイプは、パウチに入ったスープ状のサプリです。
お皿に入れてそのまま与えるほか、いつものフードにかけて与えられます。粉末を食べにくい子や、食欲が落ちている子にも取り入れやすいタイプです。
開封前は直射日光を避けて常温で保存し、開封後は冷蔵庫へ入れて3日以内に使用します。
病気療養中や投薬中の子は、自己判断で量を増やさず、事前にかかりつけの獣医師へ相談しましょう。
たもぎ茸サプリのくわしい使い方はこちらで詳しく解説しています☟
【サプリのトリセツ①】たもぎ茸サプリの使い方
当店ではがんのご相談を受けた際には、たもぎ茸サプリと「植物発酵酵素サプリ」の併用をおすすめすることが多いです。こちらは腸内環境を整えるオリゴ糖や、50種類以上の野菜・果物が酵素によって分解された代謝物(主にアミノ酸)を含んでいるので腸内の善玉菌の活動を支援し、免疫向上を目指すサプリです。
サプリは治療の代わりではなく、毎日を支えるもの

「少しでも体に良いことをしてあげたい」と思うのは、大切な家族を守りたい飼い主さんの自然な気持ちです。
しかし、サプリメントは手術や抗がん剤、放射線治療、痛みや吐き気を抑える薬の代わりにはなりません。まずは必要な検査と治療を受けたうえで、毎日の健康を支える補助として取り入れましょう。
治療中や投薬中の子、持病がある子、手術を予定している子は、使用前に商品名や原材料、与える量を獣医師へ伝えてください。
初めて与えるときは少量から始め、食欲、便、嘔吐、かゆみなどの変化がないか確認します。体調に異変が見られた場合は使用を中止し、動物病院へ相談しましょう。
たくさん与えることよりも、その子が無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。
まとめ|怖がるだけではなく、今日できることから

腫瘍と聞けば、誰でも不安になります。しかし、腫瘍が見つかったことは「終わり」ではなく、その子の体を詳しく知り、これからの過ごし方を考えるスタートでもあります。
また、幸いにも今腫瘍と縁がない子でも、正しい知識を得ておけば、気になる症状を発見したときに適切な対処を行うことができます。
良性か悪性か、どのような種類なのか、どこまで広がっているのかを正しく調べることで、選べる治療やケアが見えてきます。
飼い主さんが病気の子にできるのは、毎日やさしく体に触れ、食欲や体重、呼吸、歩き方などの小さな変化を見逃さないこと。そして、気になることがあれば早めに動物病院へ相談することです。
必要な治療を受けながら、食事や休息、痛みの管理を大切にし、健康維持の選択肢としてたもぎ茸などを上手に取り入れる。その一つひとつが、愛犬・愛猫らしく過ごせる時間を支えてくれます。
今日からできる小さなことを、焦らず続けていきましょう!
